その他

□向日葵日和
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秋彦「美咲〜、今日の夕飯何?」

今まで黙り込んで新聞を読んでいた宇佐見秋彦が言った。

美咲「今日はミートソーススパゲティーだよ」

俺はいつものように答えた。

すると秋彦はふぅんと言って、新聞に向き直る。

俺はまた鍋に向かった。



【同居人はあの有名作家】



美咲「いただきます」

秋彦「いただきます」

二人は箸を持って両手を合わせた。

テーブルの上からはいい匂いが漂い、二人の食欲をそそる。

美咲「うさぎさん、また締め切り近いんだからちゃんと仕事やれよ。また俺が怒られんのやだかんな」

秋彦「わかってる」

秋彦は手を動かしながら答えた。

美咲は不満そうな顔をして秋彦を見た。

美咲「…ほんとかよ」

美咲は一つ呟いた。

真ん中の皿にレタスが残っている。

美咲「レタス、残ってる」

すると秋彦はレタスを見つめるなり

秋彦「フッ」

と微笑した。

美咲は嫌な予感を感じ、お皿を片付けようとした。

と、その時

秋彦「じゃあ、食べさせて」

とその低い声で言った。

美咲「おいおい…自分で食べてくださいませよせんせー…」

秋彦「今日は食べさせてもらいたい気分だから」

美咲「……」

秋彦は今にも花でも飛ばしそうな笑顔を見せる。

美咲は嫌なモノを引き寄せそうな笑顔を見せる。

すると美咲が近くにあった自分の箸を秋彦に向けた。

秋彦が一瞬驚く。

美咲は大きな声で秋彦に言ってやった。

美咲「あんた…何様じゃあ!!」

秋彦「宇佐見様だ!」

秋彦即答。

美咲は苦笑いを見せるばかりだった。
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