D.short
□疑問
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「ねぇ、臨也って私の事好きなの?」
率直な意見だった。
情報屋の彼が何故、ごく一般人の私を好きになったのか不思議だったのだ。
彼なら、私より綺麗で、頭もよくて、優しい完璧なひとをたくさん知っているであろうに。
私といえば、顔が良い訳でも、頭が良い訳でもなく。
嫉妬だってするし、無駄に心配性だし。
はっきり言ってウザい存在のはずだ。
なのに、彼は私を好きだ、愛してると言ってくれる。
本当に不思議でたまらなかったのだ。
彼がなんで私なんかを好きなのか理解できなくて、眠れなかったりする日もあった。
なんでだろう、なんでだろう。
そんな思いが積もり積もって、冒頭に戻る。
質問された当の本人、情報屋の折原臨也は、いつも通りの意地の悪そうな笑みを浮かべて私に近付いて来た。
刹那、唇に感じる柔らかい感触。
…キス、されてるんだ。
彼は唇を離した後、私の耳元で囁いた。
「好きじゃなかったら、こんな事しないんだけどな。」
そしてまたニヤリと笑った彼の本心は未だ、謎である。
-疑問-
2010.02.07(Sat)
by遊鵜
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