短編 銀新
□I will begin a game
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急になんだ?と新八の言葉に、首を傾げると新八はテキパキとロッカーからスーツや下着を出してくる。
「理由は1つ、神楽様が言ったからです」
「あのチャイナか?」
「あの方はチャイニーズマフィアのドンです。命に逆らえば二度と日の下を歩けなくなります」
「腕っ節も強い様ですし、そこも神楽様が気に入ったのでしょ」とボヤく。無理だろうなぁと思いつつ一応聞いてみる。
「拒否権は?」
「ありません」
キッパリ、言われハァ〜と溜め息をつく。立ち上がり、ロッカーを探っている新八に近づく。
「お前もマフィアなのか?」
「…私の事はどうでもいいでしょ?」
トンと腕で閉じ込める様に囲う。驚いた様に大きな目が更に見開く。
顔を近づける、数センチ残し茶の瞳を見つめる。
柔らかい甘い匂い。
「興味あるんだよ」
おまえに
囁き、髪を一房取り口づける。顔を真っ赤にし慌てる姿を想像していたのに、それは打ち砕かれた。
ふっと、新八は口元に笑みを浮かべ挑発的な眼差しで見つめられ背中がゾクゾクした。
「なら、ホストになれば?」
そうすれば、嫌でも解りますよ
甘い甘い麻薬の様な言葉。
「上等」
触れた唇は思った以上に甘い味だった。
さぁ、ゲームを始めよう。
end.