03/14の日記

02:31
バカラの冒険 壱章
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グラウンドに開いた大きな穴…

それはまるで地球の反対側まで続いているかのような深さであった。

「装備が足りねーな」

バカラはRPGが大好きだった。特にレベルを100まで上げてラスボスをいたぶる時なんて…

しかしこの世界は現実世界。されどこの世界は意味不明。森羅万象をリスクヘッジする術などない事をバカラは知っていた。

バカラは他の奴らにバカだと言われていたが物事の引き際の見極めに長けていた。

「装備は木の棒で十分か。」

致し方なくバカラは穴に入った。

穴は妙に暖かくヌメヌメしていた。

均等の間隔でヒダがありしばらくすると底についた。

バカラは悟った。この世界には足を踏み入れるべきではなかったことを。

目の前には体こそ小さいがRPGではお馴染みのドラゴン。背後には開けるなと言わんばかりの怪しい宝箱。

しかしバカラに選択肢などない。迷わず宝箱をあけた。

「ついてる!」

目の前のドラゴンは首を転がしバカラの手に握られた剣には血を纏った肉片が散らばっていた。

「グオーーーン!?」

ドラゴンの首が元に戻り怯えたように叫びこちらを見ている。仲間に加えますか?

「はい?」

いや、はい?じゃねーだろ、いや、はい!か…。

ドラゴンが仲間に加わった。が、バカラの冒険はまだ始まったばかりだった。

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