‡豊玉発句集‡
□クリスマス企画《土風編》
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今日はクリスマス
前に風間と話した通り、別に特別なことをする訳ではなく、いつものようにふたりで過ごしていた。
夕飯を食べ終えた後、ふたりでテレビを見ながらのんびりと…冬休み前までの多忙さを思い出すと、いま自分がクリスマスを恋人とのんびり過ごせるなんて思ってもいなかった。だから、いまこんな風に恋人とふたりで過ごせるだけで俺は十分だった。
「…土方」
「あっ」
物思いにふけていると恋人である風間から声をかけられた。俺はコーヒーを口に運びつつ風間を見下ろす。俺はいまソファに座っているが、風間は直接床に座り俺の足の間におとなしく収まり俺を見上げていた。
どうした?と目で訴えると風間は少し考えた後…
「一緒に風呂に入ろう」
と真顔で言ってきた。俺は思わぬ風間の一言に飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになったがなんとか耐えることが出来た。
「ッ…ゴホッ…か、ざま」
「大丈夫か?」
「ん…大丈夫か?じゃねぇよ。一体どうしちまったんだ」
俺を見上げたまま、何かおかしなことを言ったか?と風間は呟く。
本当に分かってないらしい…。
「今までふたりで風呂なんて入ったことないだろうが…だから驚いたんだよ」
「なるほど」
やっと理解したらしい風間…また少し考えてると、いきなり立ち上がり俺のほうに体を向けると俺の足を跨ぎ向かい合わせに座ってきた。
風間は俺の首に腕をまわし小首を傾ける。
「一緒に入っては…ダメか」
「〜っ」
とどめの一言。
これは誘っているのか。
それとも天然でやっているのか。
どちらにしても…
大歓迎
「気持ちいいか?」
「まぁ…気持ちはいいが…」
一緒に風呂に入ることを風間から誘われた。だからそういうお誘いなんだと思っていた…しかし思惑は外れ、なぜか普通に風間に背中を洗われている俺。
「流すぞ」
そして、俺に一言声をかけてシャワーをかけてくる。
…おかしい
鏡越しに風間を見るとシミひとつ無いきめ細やかな白い肌、そして淡く色づく胸の突起…その体を惜し気もなく晒しており、その体を見て俺は欲情しそうになる…だが、なんとかそれを抑える。
湯をかけ終えた風間のほうへ体を向ける。