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正月フリー
平和通り
「明けましておめでとぉぉ!!」
「近所迷惑です」
平和通りの事務所では、何やら騒がしい声が聞こえてきた。新年早々、篠綾の鋭いツッコミが入る。
如月は口を尖らせ、クラッカーを片付けながらぶつぶつと文句を言っている。
「せっかくの年明けなんだから、少しくらい騒いだって良いじゃない」
「年明けですか。そうだ、如月さん」
篠綾は、無言で如月に手を差し出した。如月は、顔を引きつらせながら「何?」と尋ねる。篠綾は無表情のまま、
「とぼけないでくださいよ。新年といえばお年玉です」
「うちにそんなお金あるわけないでしょ!……あ、そうだ」
如月は何か思いついたように立ち上がり、台所の戸棚をがさごそと探りはじめ、やがて大量の餅を抱えて戻ってきた。
「昔のお年玉って、子供にたくさんお餅をあげていたそうだよ。元気に育ちますように、ってね」
綾ちゃんも元気に1年乗り越えられるように。
そう言って笑う如月に、篠綾は一瞬目を丸くして。しかしすぐに、
「じゃあ食べられるように焼くなり煮るなりしてください」
と冷たく言い放ち、そっぽを向いた。如月はそんな彼女に苦笑しながら、
「今年もよろしくね」
「…仕方ないですね」
そう答えた彼女の表情は、至極穏やかなものだった。
今年もよろしくお願いします!
(ちょっとは手伝ってよ!)
(お年玉なんで)
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少し早いですけど、お正月フリーということで、何日か置いておきます(適当)
と書いておきながら、1ヶ月近くの放置。最悪です。
今年もよろしくお願いします!
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