青い春に伸びる影

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「ねーちゃんっ」

慌てたような声と同時に、病室のドアが乱暴に開けられる。室内に居たメンバーは視線をそちらに移すが、遊弥の驚いたような声と、飛び込んできた少女の言葉に唖然。

「ねーちゃん?」

七海が不思議そうに呟くと、遊弥が慌てたような声で言った。

「綺音っ!?な、何でここに…」
「学校がすごい騒ぎになって、休みになったんだよ。ねーちゃんが刺されたって聞いて…ウチ…」

不安そうに言葉を続ける少女──…綺音は、どうやら遊弥の妹らしかった。制服は同じだがリボンの色が違うため、一年生だと思われた。遊弥はわたわたと慌ただしく起き上がり、傷の痛みに顔をしかめた。

「ちょ、バカじゃないの!?おとなしく寝てなよ!」

そんな遊弥に厳しい言葉をぶつける綺音。一同は唖然とする。

「あの遊弥ちゃんをバカ呼ばわり…」
「妹には弱いなんて……!超二次元的じゃないっ!」

玲奈が呟くと、花が嬉しそうに飛び跳ねる。涼華は遊弥をベッドに横たわらせながら、綺音に顔を向ける。

「それで、あの男はどうなったの…?」
「犯人のことですか?…彼は……」

綺音は口籠もるが、涼華が続きを促す。

「他の男子に取り押さえられて…警察に連れていかれちゃいました。しばらく学校も休みになりそうだし……学祭も…」



綺音はそこで言葉を切る。悔しそうに唇を噛んで、震える声で言った。





「中止に……なる…かもって…………」



その場に居た全員が、言葉を失った。





守りたいだけだった
(状況は悪くなるばかりだ)
(自分はやっぱり傷つけることしかできないんだ)




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長い……!!
いつ本番を迎えるのだろう…







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