青い春に伸びる影

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私だけの特別な呼び方を君に









翌日の昼休み、涼華は早速遊弥に猛アタックを繰り返していた。涼華は、購買で買ってきたパンとジュースを持ち、屋上で一人食事を取っていた遊弥の隣に座る。そして、無言で弁当を広げる遊弥にマシンガンのごとく話し掛けた。

「遊弥ちゃんはお弁当なんだね。自分で作ってるの?」
「まぁ…」
「美味しそう! 卵焼きもらってもいい?」
「……おぅ…」
「うわぁ、ありがとっ! じゃあ私は新発売のパインジュースあげちゃう」
「……さんきゅ」

明らかに戸惑っている遊弥に、涼華は構わずアプローチを続けた。戸惑いながらも律儀に返事をしてくれる遊弥に気を良くしながら、涼華は卵焼きを頬張った。
そうこうしていると、いつもの生徒会メンバーが屋上にやってきた。そして、学校のような閉鎖的な空間から一気に開けた空に、七海は大きく伸びをして満足そうに言った。

「屋上なんて初めて来たよ〜! 開いてるもんなんだね」
「明らかにこじ開けられてたじゃん……」

玲奈が溜息を吐きながら、ご機嫌な涼華の隣に腰掛ける。

「何さ皆ー、私と遊弥ちゃんのラブラブランチタイムを邪魔しに来たの〜?」
「バカ。ただ涼華とご飯食べに来ただけ。いつもそうしてるじゃない」

口を尖らせる涼華の額を小突きながら、玲奈は弁当を広げる。花は鼻息を荒くしながら涼華と遊弥のツーショットを見ていた。

「あぁん、超二次元的! 美女と野獣の組み合わせって凄くたぎる!」
「それ! その野獣って呼び方やめてよ! 女の子に付けるあだ名じゃないじゃん」

花の言葉に涼華は怒る。それを聞いた遊弥は驚いたように目を見開いて、物珍しそうに涼華を見た。涼華はパンの袋をくしゃりと握り潰すと、立ち上がって遊弥を指差した。

「私、今から遊弥ちゃんはゆーちゃんって呼ぶ!」
「……っ、何だそれ!」

遊弥は顔を真っ赤にして叫ぶ。今まで野獣などと呼ばれ、そのような可愛らしいあだ名とは縁が無かった所為か、恥ずかしいらしい。

「皆はゆーちゃんと野獣以外なら何て呼んでも良いよ。ゆーちゃんは私だけの特別」
「ば、ばかっ。意味わかんねーよ、いきなり…」

マイペースに話を進める涼華に、恥ずかしさやら色々な気持ちが混ざって焦っている遊弥を見て、花は奇声を発した。

「ヤバーい!! リアルツンデレKtkr!! 赤面萌え! ポイント高しッッ」
「ちょっ、花〜。日本語話して、日本語」

七海が苦笑する。二次元をこよなく愛する花のツボに、涼華と遊弥の絡みがヒットしたらしい。
花はニヤニヤしながら悶絶している。
こうして昼休みは更けていった。







名付け親は私、呼ぶのは私だけ
(ゆーちゃん、だいすき!)
(恥ずかしいからやめろよ!!)






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花のキャラがすごく好きです。





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