青い春に伸びる影

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君に触れるための口実作り



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狭い教室の中で、賑やかな追い掛けっこが行われていた。鬼はメジャーを持った涼華で、逃げ惑うのはまだ額に絆創膏を貼った遊弥だった。

「スリーサイズ測んなきゃ服選べないでしょ!おとなしく捕まって!」
「何でサイズ測るだけなのに脱がすんだよ!服の上から測りゃあ良いじゃねーか!」
「正確な数字じゃなきゃ意味ないでしょ!ほら、早く!」

警戒心を顕にして机の列の間を縫うように逃げる遊弥に、涼華は怒鳴りながら、しかし嬉しそうにメジャーを振り回す。
結局、玲奈が仲裁に入り、野次馬のように二人の追い掛けっこを見て楽しんでいた七海と花で、生徒会室へと移動し、そこで採寸することにした。

「へ、変なことするなよ」

生徒会室の中に入り、わくわくとした視線を向けられているのを居心地悪く思いながら、遊弥はワイシャツに手を掛けた。
涼華は興奮した様子でデジカメを構えている。

「ゆーちゃんの下着姿!ヤバイどうしよう死んじゃうかも!」

そう叫びながらシャッターを切りまくっていた涼華だったが、やがて「変態!」の言葉と共に、デジカメを遊弥によって粉砕された。
遊弥は気付いていないが、デジカメは使い物にならないものの、メモリーカードは無事だったため、彼女の恥ずかしい写真はバッチリ涼華のコレクションに加えられているのである。

「ゆーちゃん、背も大きいけどおっぱいも大きいね」
「何言ってんだバカ!」

メジャーをしまいながら、真顔でそう告げた涼華に、遊弥は顔を真っ赤にしながら怒鳴った。そんな様子を見ていた生徒会メンバーは苦笑しながら、素直じゃないなぁと呟く。

「これだけスタイル良いと、超二次元的なモデルになりそうね!」
「また意味わかんないこと言って…」
「でもさ、玲奈のクラス優勝しちゃうんじゃない?衣裳代にも困らないじゃん」

花の言葉にため息を吐く玲奈。そこに、七海が話をまともな方向に持ってくる。しかし、七海も如何せん“バカと天才は紙一重”を地で行くため、この発言は奇跡とも言える。
遊弥の胸を下着越しに鷲掴みにしながら、「ゆーちゃんの生おっぱいもいつか触るからね!」等と叫ぶ涼華に、一同は彼女が女で良かった、と切に思うのであった。




過度のスキンシップは女の子の特権
(これ、ギリギリ犯罪にはならないの?)
(まぁ、良いんじゃない?二次元的な絡みだから許されるのよ)




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次回から学祭編が本格的にスタートするかと………
女子同士だと、平気でパンツ見せ合う人とか居ますよね。







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