青い春に伸びる影

□リア充の聖夜
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拍手ありがとうございます!!


※青い春番外
※クリスマス





学校もクリスマスモードなのか、カップルがイチャイチャと教室の真ん中で何かやってるのが苛立たしい放課後。涼華はそれらを横目で見ながら、「私もイチャイチャしたいなぁ」と恋する乙女さながらの表情で呟く。

「すれば良いじゃないのよ。誰も止めないわ」

呆れた様子で玲奈がため息混じりに言う。涼華はいやいやと首を振り、人の気配がしなくなっている遊弥の席をチラッと見た。

「だって、ゆーちゃんってばクリスマスにもバイト入れてるんだもん。私がデート行こうって誘ったら断られた」
「イブは?三連休だもの、1日くらい何とかなるでしょ」
「あんまり誘ってしつこいって思われたらヤだ」
「…………」

今までの涼華には有り得ない発言だ。すっかり逃げ腰になってしまっている。

「らしくないね。ヘタレ涼華」
「ゆーちゃん限定でヘタレだよ、私は」

ふん、と口を尖らせ、涼華はそっぽを向いてしまう。玲奈は困ったように苦笑した。


いつものメンバーでの帰り道、涼華の話を聞いていた七海がふと口を開いた。

「遊弥ちゃんも、ホントは涼華と遊びたいんじゃないかな〜」
「何で?」

不思議そうな涼華に、七海は笑う。

「だって、口では文句言うけど、いつだって涼華の誘い断らないじゃない?ゴールデンウィーク然り、学祭然り」
「確かに。照れ屋だしね、彼女」

花も続く。

「……私、ゆーちゃんのバイト先行ってくる!」

涼華はそのまま、凍った地面を駆け出した。




出ていく客を見送って、遊弥は頭を下げた。その瞬間に、呼び鈴が鳴る。遊弥は顔をあげて固まった。

「…いらっしゃいませ、」
「ゆーちゃん!」

そのまま抱き付かれる。遊弥は冷えきった涼華を思わず抱き締め返した。

「三連休、1日で良いから、遊びに行こう」
「あ、その件な…」

遊弥は涼華を放して、気恥ずかしそうに頭を掻いた。

「クリスマスはダメだけど、23日とイブは休み貰えた。だから…えっと…、」
「ホント!?」

遊弥が言い終わる前に、涼華は感極まってそこが店の入り口付近にも関わらず遊弥に飛び付いた。嬉しさに声を裏返している。
普段は嫌味な涼華のこうした一面があるからこそ、遊弥は彼女の誘いを断れないのだ。決して本人に言うつもりは無いのだが。





(どこ行こっかな〜?)
(もうリア充爆発しなよねっ!)



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いつまでハロウィーンやねん、ってことで変えました。連載終わらせなきゃなぁ…







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