□ナルト女難?
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@学習能力皆無




病院内の、幾つかある診察室の一室。

下忍になりたての頃ならいざ知らず、この歳になってからはとんとご無沙汰なこの場所で、怒りに頭から湯気を出しているサクラの隣で、ナルトは気まずそうに笑う。

目の前にいるのは、シズネ一人。

彼女の主の姿は、今此処に…いや、木の葉の里には無い。

「綱手のばーちゃんがいないって事は…」

「暫くそのまま生活してもらうしか……」

火影として他所の国へ出かけている綱手の代わりにナルトを診察したシズネも、今のナルトの症状を何とかする手立ては無かった。

「綱手様なら、その術について知ってみえると思いますから」

綱手が留守で、その代わりをしているシズネは忙しく、その補佐をしているサクラの目を盗み、性懲りも無く火影邸から封印の書を持ち出したナルトに、もはや同情の余地は無い。

木の葉の里で使われる変化とは違う術式を使った為、女に変化したまま戻れなくなったナルトは途方にくれた。

「おいろけの術で、女に化けるのは慣れてるんだから、暫くそのまま女で過ごしても支障無いんじゃない?」

「えー、ヤダってば」

「なんでよ」

「修行すんのに、胸が邪魔で…」

云い終わる前に、ナルトは診察室のドアをぶち倒し廊下まで吹っ飛ばされてしまった。

(よりにもよって私より胸が大きくて、あまつさえ『胸が邪魔』だとぅ?)

サクラの心の叫びは「しゃんなろーっ!」の一言に集約されていた。



ヨロヨロと立ち上がったナルトを再度診察室に連れ込むと、サクラはさっきまでとは違った心配げな表情をした。

「あんた、最近カカシ先生と住んでるんでしょ?」

「うん…」

「身体が元に戻るまで、違う部屋で寝なさいよ」

「え、だって、うちベッドが一つっきゃ無いってばよ?」

普段から一つのベッドで二人で寝てます、と遠回しに云われ、えも言われぬ怒りに駆られて、サクラの拳が再びナルトの顔面に炸裂した。

ナルトの外見が同年代の女の子とはいえ、サクラの拳に容赦は欠片も無かった。




【続く】
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