□目を閉じて
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まどろみの淵から呼び起こされる。

腕の中のナルトの身体が、強張るのが分かった。 カカシはナルトの枕になっていた腕を動かし、そっと髪に指を絡めた。

「起きちゃった?……まだ寝ててもいいよ、朝はまだ……」

「…ゴメン……」

闇夜の中で、微かな謝罪の声が響く。

何に対する謝罪なのか…カカシは暫しの間を空け考える。

余り考えたく無い理由に行き着き、胸が痛む。

さっきのどさくさ紛れの告白に対するものであったら―――

「何? 何かあった?」

カカシはさりげなく先を促した。

「………」

何かを云いたげに唇を動かしているのが頬の線で分かるが、言葉にはならないようだ。

その謝罪がもし、後先考えないオレの告白へのものであったなら、『冗談だよ』の一言で消してしまえたらいいのに。

髪を梳くカカシの指に、ナルトの指が触れた。 思わず手が強張る。

「……嫌、だったか?……」

「違うっ」

オレからの謝罪を遮り、ナルトは指を絡めてきた。

「ヘンなこと、させた……オレのヘマで……」

耳まで赤く染めている処を見れば、どうも恥ずかしがっているだけのようだ。 『二度とシカマルんとこの薬は飲まないぞ』…などと愚痴っている。

「ヘンなことって…コレのこと?」

照れて真っ赤なナルトの腹部に、自由な方の手を這わせれば、それだけでまた敏感な身体は逃れ様と腰を引いた。

臍から徐々に指を下に滑らせていけば、先ほども散々甚振ったナルトの雄が眠っていた。

「オレは嬉しかったんだけどね……好きな子に触れたんだから」

「…う…嬉し……い?」

「あれ? 云ったよね……好きだって、聞いてなかった?」

「…………」

覚えているようだ。 なにせ、赤い耳ばかりか、触れ合ったナルトの肌から伝わる鼓動の大きさからも分かるというもの。

「もう一度云おうか? 好きだって…触れたいって……抱きた……」

「分かったって、覚えてるっての!」

ナルトの下腹部に触れそうで触れていない微妙なカカシの指によって、寝ていた時以上に二人はくっ付いていているのだ。

カカシの下半身の一部が硬く主張していることからも分かった。

ナルトが拒絶するようであれば、冗談で済ませてしまおうと思ったが、こうして腕の中で大人しく収まってくれている少年に甘えてしまおうとしている。

絡めた指も、身体に回した指も、そして何より密着させた情欲の証に気付いていながらも、ナルトは嫌がる事はなかった。

「じゃあ……いいの?」

ナルト自身、カカシが何を求めているかは分かっている。 男女間では普通で、必要な行為ではあるのだ。 が、男同士で行うとなれば話は別だ。

男女間であれば、最終的に子孫繁栄という大義名分が成り立つだろうが、男同士では何も残せはしない。 

「男同士でも……その……」

「できるよ、愛し合うことは人同士であれば男女の区別なんてないさ」

ナルトはまた考えこんでしまった。

何を難しい事を考えているのか分からないが、恋愛初心者であろう子供の頭で納得のいかない事があるらしい。

「なんで、オレ……なんだ?」

「え?」

「他にもたくさん、カカシ先生を好きな人がいるのに……」

忍に限らず里の人たちにも、カカシ先生を噂してる女の人は片手両手の指の数じゃあ足りない程なのに。

「そんなの……関係ないよ」

どうやら、好きになる相手が女ではないことに納得がいかないらしい。

声を立てずに笑う。 笑ったのに気付いたナルトが、不思議そうに背後の自分の様子を伺うように僅かに首を捻る。

「オレが好きにならなきゃ、こんな行為に意味はないしね」

「…意味?…」

「そう、ナルトが好き、だからSEXしたい、でもナルトが嫌がるならSEXはしない……でもオレはナルトが好きなのには変わりがない……簡単なことだよ」

「………」

「ナルトとSEXしたいってのは、心だけでなく身体も繋がってたら幸せかなって……」

ナルトをさっき以上に抱きすくめて、耳元で囁いてやる。

「気持ちよかっただろ? 相手と快感までも共有できるなんて幸せじゃない?」

ストレートな言葉が伝わったのか、今まで僅かに強張っていた身体から力が抜けていった。

「……オレも……」

消え入りそうな声で呟いた『好きだ』という言葉に、心が沸き立つ。 こんな高揚感は、嘗ての師に初めて褒められた時以来だと思う。

親子してオレを翻弄してくれるんだから困ったものだ。 ナルトには内緒の話だから、云いはしないけど。




同意の上とはいえ初めてのナルトに無理はさせられないので、長い時間をかけて後ろの蕾を解していく。

とんでもない格好をさせられているせいか、ナルトは両腕を交差させ顔を隠した。

「…ん…ぅん……」

必死に声を殺す様が可愛いと思う。 ついでに可愛い声も聞いてみたいと、後ろを解しながら熱を帯びたナルト自身を口に咥えた。

「ひゃ…ぁああ……ヤ…」

空いた方の手で跳ねる腰を抱え固定する。 逃げようのない身体を僅かに揺することしかできないナルトは、股間で蠢く銀色の髪に指を埋め引き離そうとした。

「やだ…や…っ……で、出ちゃう…ょ……」

泣き声が混じってしまえば、カカシもそれ以上の無理強いはできない。 人の口内で吐き出すのに躊躇しているのなら―――


既に三本の指を咥え込んでいる箇所へ、カカシはゆっくりと自身を沈めていく。

ナルトの雄を扱き育てながら、痛みをそちらに逸らしてやるが、圧迫感は付いて回るのかハアハアと熱い息を引っ切り無しに吐き出している。

「ナルト……もう少し、だから……」

我慢して、と唇に触れるだけのキスを幾つか降らし、狭いナルトの中を押し進めていった。

きつく閉じられていた瞼がゆっくりと開き、目の前にあの好きな蒼い目が現れた。

「…せんせ…の素顔……初めて、見た…ってばよ……」

ナルトの両手が頬に触れ、形を確かめるように動く。 そんな事をされればもう押さえなんて利かない。 噛み付くように唇を重ね、舌を絡めた。

理性の箍を外し、ナルトの最奥まで己が欲望を突き入れた。

ぐうっと喉がなる。 ナルトが性急な行為に悲鳴を上げたのだろうが、そんな事を気にする余裕はまったく無かった。











「もう、二度とやんねー」

朝まで延々と啼かされたナルトは、かすれた声で叫んだ。 そればかりか足腰が立たないものだから、任務にも出られそうにない。

「えええっ! なんでよ〜」

「痛いばっかじゃん!!」

「…………」


今日の任務はナルト抜きで行かねばならない、が、綱手様とサクラには何と云えばいいやら。

今回は、遅刻の言い訳のようにはいかないようだ。 





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