□変化
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(ナルトサイド)
戸を開けてくれたカカシ先生が、歯ブラシをくわえたまま驚いてる。
「どしたの?その格好…」
そりゃ驚くよな……でももっと驚く事がマントの下に……
「オレ……九尾化しちゃったってばよ……どうしよう…」
回りくどいのは抜きにして、何の説明も無しにそう云ったら、案の定不思議そうな顔をしたカカシ先生が玄関前で固まった。
でも、オレの深刻そうな顔を見たら笑い飛ばす訳にもいかず、部屋の中に招き入れてくれた。
「なんかあった?」
洗面所で口を漱ぎながらカカシ先生が不明瞭な言葉で再度聞うてきたが、ナルトには何を云っているのか察しはつく。
上半身裸で、顔を拭いていたタオルを肩に引っ掛け、ベッドのある部屋に戻って来た。
「だから〜、九尾になっちゃったってばっ」
ベッドに腰掛けたオレは、口布を外して左目も隠していない無防備なカカシ先生の姿を見上げながら、口を尖らせて云った。
「見たところ、変わって無い気がするけど?」
「だから〜っ!」
オレはフードを取り払って、頭に生えた耳を見せた。
カカシ先生は目を丸くして驚いていたけど、再度じっくり見る為かベッドに近づいて来た。
生えた耳を指先で摘みながら、本物?…なんて聞いてきた。
触った通りだってばよ、動かす事もできるし、暖かいし―――
カカシ先生が躊躇いがちに耳を摘んだ時、ピクンと動かしてみせた。
「自来也様から聞いてる九尾とは違った形だけどね」
「そうなの?」
オレは自分の九尾化した姿を知らないから、首を傾げて聞いてみた。 そういえば…と、自分の中で会ったそれらしいケモノの姿が、おぼろげながらも脳裏に浮かぶ。
「これはどう見ても、動物……狐かな? この耳は」
やわやわと摘まれて、擽ったいやら気持ちイイやら――
「じゃあ、こっちも?」
立ち上がってマントを剥いで背中を向けた。
「パンツ一丁で来たの?」
「視点が違うってば! カカシ先生っ」
尻尾のせいで、ズボンが穿けなかったんだから仕方ないじゃんか。
ゆるりと振られる尻尾を、カカシ先生に掴まれて、耳以上に擽ったい。
あからさまに触れられるのが嫌だと云わんばかりに、強く尻尾を振った。
何を思ったのか、カカシ先生はきゅっと尻尾を引っ張ってきた。
「痛いってばっ……取れちゃうじゃんか」
「取れた方がいいんじゃないの?」
そうか、そうだよな――取れなきゃ困るのはオレだってばよ。
「取れるのが一番だけどさ、痛いのはちょと……」
引っ張って取れないと分かって、悪戯ではないと納得したようだ。
いきなりパンツを下ろされてしまって、オレは驚いてカカシ先生から尻尾を取り戻した。
「何すんだってばよ///」
「根元がどうなってるかと思って……いいから、ちゃんと見せなさいって」
ベッドの上に座って、目の前の布団の上をポンポンと叩いて来いと訴える。
オレは仕方なく、カカシ先生の云う通りベッドに上がった。
「お尻向けて〜」
先生の笑顔が気になったけど、縋る者はカカシしかいないと思えば、ベッドに座り込んだ状態で大人しく尻を向けた。
勿論、恥ずかしい部分までは見えない様に、Tシャツを目一杯引っ張っていたりする。
そんなガードなぞ物ともせず、Tシャツの裾から掌が入り込み背骨を辿る様に背中から尻尾へと動く。
「んぁ……」
オレ自身思わぬ声が漏れて、咄嗟に口を両手で塞いだ。
尻尾の根元から先へと、するすると指先で摘む様に動いていくカカシ先生の手が、あの快感を連れて来た。
カカシとは所謂恋人同士だったりする訳で、まさか夜の営みで得る快感に似たソレを、尻尾から感じるとは思いもしなかった。
「ちょっ…と、待…って……離してっ……」
「どうしたの? 痛い?」
分かって云っているであろうカカシ先生の言葉に、オレは反論を吐く為口を開いたが、口から飛び出したのは喘ぎ声だった。
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