俺についてこい!
□新入生歓迎会!
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〜千種 side〜
「ちょ、聞いてるんですか!?」
「──…」
「副会長!?」
カメラに叫ぶ徹。さっきからずっと。
何故かと言えば、副会長が僕らの話を無視してるから。ずっと隼人とハッシーと話してる。
いい加減諦めたら良いのに、と徹を見つめながら溜め息を溢した。
「ッ…これ、マジでマイクついてんのか?俺、ガチ無視されてんじゃん!」
「徹、独り言うざーい☆」
「独り言じゃねぇし!龍も何か言ってくれよ!」
「………あ…」
「………」
「………」
「…それだけか!」
「……何かは、言っ…た…」
徹は確かに、と言葉を詰まらせ、無表情なままだけど龍はいい加減飽きてきたみたいで、早くしてという目で徹を見つめている。
本当にこの二人は一緒にいて面白い。
『───あ。』
そして不意に副会長の話が止まった。どうやら、やっと徹の思いが通じたみたい。
『ごっめーん。俺、加藤くんたちの話聞いてなかった〜』
「副会長、やっと俺たちに気付いたんですか?俺ずっと訴えてたんですけど!」
『ごめんって〜。今からちゃんと………───え?もう10分たつの〜?』
全く悪びれた様子も感じさせない副会長の呑気な発言に、僕たちは揃って"げ、"と眉を寄せた。
次がれる謝罪の言葉は聞かずに僕はどこなら早く隠れられるかと思考を巡らす…けどそう簡単には思い付かない訳で。すぐに諦めた。
『まぁとりあえず、鬼もあと30秒で動くよ〜♪』
「え!?」
『あ。ちなみにカメラは開始と同時に切るけど〜、あと20秒で他の場所に移動しないとマズイよ〜?今まで、俺たちは見てたんだからね〜♪』
「ちょ、マジかよ…!」
「徹、龍、走ろっ」
「…ん、」
「あぁ!」
『鬼さんたち〜…
スタート!』
その声を背に僕たちは慌てたように動いた。
〜隼人 side〜
「──…で、こうして…」
「あ、この時にこれやったら…」
「…よし、作戦会議終了!」
あれから、隆司と案を出しまくって作戦を考えた。少し時間は掛かったが、なんとかまとまって、早速始めようと思う。
「じゃ、行くか!」
「了解っ」
俺と隆司は笑みを浮かべて頷き合うと、作戦を実行するために同時に教室を出た。