アイアム平凡ッ!
□第一話
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「おい、」
目の前には、最恐と言われる
【八雲彰(ヤクモアキラ)】
容姿は、髪は紅くウルフにされていて、瞳もカラコンで爛々と紅く輝いている。
制服をYシャツの前全開に下に黒T、ズボンをダボダボに下げて、どこから見ても不良な奴。
対して俺、
【倉本巧己(クラモトタクミ)】
少し長めの漆黒の髪に、平均的身長、普通な顔、頭脳も運動神経も平均的な何処にでもいそうな平凡だ。
それなのに。
それなのに、なんで。
「お前、俺と付き合え」
俺は、コクられているのでしょうか。
──…遡ること、数分前。
「オッハヨー!!」
「おはよ」
いつも通り登校した俺。
席につくと、話し掛けてくるのはたった1人。
「なぁな、昨日さぁ…」
「はいはい。大ちゃん、呼ばれてるよ」
「ん?あ、オッハー!」
大ちゃんこと、俺の幼馴染みの
【上月大輔(コウヅキダイスケ)】
そして、クラスのムードメーカーだ。
「上月ぃ…俺、昨日フラれたんだけど…」
「男なら潔く諦めろ!それか、粘れ!太陽はお前を見放してなんぞいないぞ!」
落ち込んでいるクラスメートにケラケラ笑いながら叫ぶ大ちゃん。それに爆笑する周りのクラスメート。
「なんの青春ドラマだよっ」
「上月、今日もバカだなぁ」
「大輔、ばかじゃないもん!」
「うわっ、ブリッコ上月、キモい!」
「サブイボサブイボ…!」
2年の始まりから一週間、大ちゃんのおかげで2‐Cは毎朝騒がしく始まる。
これも、いつものことだった。
ガラッ
「倉本巧己って奴いるか?」
──コイツが来るまでは、
いつも通り“だった”。