捧&宝物
□可愛い人!
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「あのな、龍黒。確かに痛ぇけど、湿布貼りゃあ治ったりするし、それに、痛いけどオマエとできるからそれでいいっつーか…、…つか、オマエがそれで痛くなったら意味ねぇんだよ、」
白皙をほんのり紅潮させながら、顔を逸らして、俺を労ってくれる姿に、…俺は一気に舞い上がった。
「新名っ、大好きっ!」
逸る心のまま強く抱きつき、首筋に顔を埋める。
そんな俺の行動に、目を瞬かせるも頭を優しく撫でて、「…俺もだ」と言ってくれる新名は、本当に本当に可愛くて。
イケナイ感情を抑えながら新名を見上げれば「やっぱオマエのが可愛いよ、龍黒」とクスクスと笑われる。
まったく、新名は自分が可愛いって分かってない!と頬を膨らませるも、またも「可愛い」と言われてしまった。
「もー…、新名、可愛い…大好きっ!」
心からの満開の笑顔で言えば、漆黒の瞳を柔らかく細めて、白皙をほんのり紅潮させながら、俺を抱き締めてくれる。
―俺の恋人は、男前で、綺麗で優しくて、そして。
すごくすごく、可愛い人!
―Fin―