捧&宝物

□君が傍にいてくれるなら
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いつの間に、どうして、嘘だろ、なんて男たちの喧しい大合唱に、僅かに痛む耳を擦る。
この場合、一番騒ぎそうな奴が一番静かで、不思議に思い視線を向けると…、

「…殺す」

「ひぃ!?」

「ちょ!?弥生落ち着けや!アカン!」

俯き震えながら胸元のチャカを取り出そうとしていた。
流石の浩介も慌てて距離を取るが、チャカ相手では意味がないのは当たり前で。
俺は慌てて弥生を宥めながら助けをフミに求める。

「…猫、ショタコンだったんですね」

「ちゃうやろ!」

「俺ショタじゃない!」

迷惑そうに、そして呆れた視線を俺たちに向けながら、わざとらしく外した言葉を返したフミに同時に声をあげる俺と浩介。

──…いつもの事だけど、落ち着けねぇ…。

このガキみたいな大人達をまだ高校生の浩介に晒すのが同じ大人として恥ずかしい。
…それに、このめでたい日を恋人と少しでもゆっくりしたいという思いもあって。

「…浩介、抜けるで」

「え、…うん」

深く溜め息を吐いてから、何だかんだで殺気を放ちまくる弥生を取り抑えるフミと未だに喚く仲間に気付かれないよう、浩介と共に座敷を抜け出した。




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