捧&宝物
□腐探偵出動!
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ある休日───
「………あれ、隼人。今日は起きんの早いな」
いつもギリギリな俺に徹が驚いた顔をした。そう、今日はいつもより二時間も早く起きたんだ。俺は変装をしながら徹に目を向ける。
「あぁ。今日はちょっと出かけるからな」
「へぇ、何処にだ?」
「………秘密」
「………ま、まさか内緒で会長とのデー「誰がするかっ!」ぐふぅっ」
顔を赤らめて言う変態に蹴りをいれる。あ、今の鳩尾に入ったかも。……ま、いいか。徹だし←
よし、眼鏡を掛けて、平凡隼人完成☆
俺は沈んだ徹に目を向けて、小さくついてくんなよ、と告げて部屋を出た。
「会長フラグ……見逃せません…っ」
鼻血をぼたぼたと流しながら徹が呟いたのなんか知らずに。
〜徹 side〜
はい、どーもどーも皆のアイドル徹くんです。
え?知らない?またま「ねぇ、ナルシーなキモい挨拶してないで早く行こうよ変態☆」
………千種、俺のプラスチックのハートが壊れちゃうよ。
「……徹…きも、い……」
「ちょ、龍まで言っちゃうー!?」
「変態うるさーい。隼人にバレるよ☆」
「ハッ」
千種にそう言われて俺は慌てて物陰に隠れた。そう、只今隼人を尾行してます。そりゃもう会長との秘密のニャンニャン目当てで。
「俺様会長×王道主人公………萌える!やばいっ!ブッハ!」
「ぅわっ!キモッ!徹、鼻血鼻血!」
千種がグサグサと見えない棘を俺に刺しながらティッシュをくれた。
因みに尾行作戦の共犯は千種と龍。俺と尾行の理由は違うけどね。
「あ、街の方に行くぞ」
「早く鼻血拭いて!行くよ」
「………」
街へと歩いていく隼人を俺たちはバレないように追い掛ける。
俺は鼻にティッシュを詰めた。
「長いトイレだな」
「もしかしてウン「わぁああっ!」何」
公園のトイレに入ったっきりなかなか出てこない隼人にボソリと愚痴る。すると隣で千種が下品なことを言いかけたので慌てて阻止した。
「やめてやめて。王道はそんなことしないの。トイレでするのは、いつも敵視しかできなくてなかなか素直になれない会長のことを考えて自慰しちゃうことだけ!……『会長…っ…好きなんだ…っでも言えな…んっ…だって…っ』と頭の中で会長のことを考えながら…………ブハッ」
「………徹、止めて隼人が汚れちゃうじゃん。妄想止めないと喉かっ切るぞ☆」
「すみませんでしたごめんなさい」
再び発射した鼻血で飛んだティッシュ。代わりに新しいティッシュをくれながら千種は恐ろしいことを笑顔で言った。
………腐男子が腐な妄想したって、いいじゃまいか。