捧&宝物

□お友達になろう!
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ある日、授業が終わり、後藤と共に部屋へ戻ると――

「よぉ渚元気かっ?」

――見知らぬ金髪が居た。

(なんだこの、関わったら絶対に後悔しそうな不良は…!)






「おぉ隼人!久しぶりじゃん」
俺の横から顔をぬっと出してきた背の高いアホ。
(やっっぱり後藤の知り合いかよ…!)

後藤と俺は長い付き合いで、小学生の頃からずーっと同じ学校に通ってきた。
だからだいたいの知り合いは共有しているんだけど、中学生になって突然…まぁもともとそんな空気を兼ね備えていたんだけど、とにかくグレちゃった後藤とはクラスが違うときもあったし、俺があんまりそうゆう奴と絡まないようにしてたのもあるんだけど、まぁわかりやすくいうと後藤の不良友達を俺は知らない。

「なー!お前お坊ちゃま校行ったからどーしてんのかと思ってたんだよっ」

にぱっ、と周りに花が咲く勢いで微笑んだ金髪さん。俺の金髪へのイメージが悪いのかもしんないけど、思ってたよりもこの人綺麗な顔してるよ。

「……」
(…というか俺の存在はスルーなんですね。はい。)いいよもう悪かったな影薄くて。

「相も変わらずフェロモン振り撒いてんなァ隼人は。」
「あ!啓太!」
ぐるりっと俺が振り返ればまたまたどでかい金髪。
「お前、どうやって入って来たんだよ。この学校結構警備厳重だと思うけど?」
ニヤリと悪い笑顔を口元に浮かべて、長谷川はハヤトと呼ばれた金髪に問う。
「まーなー。壁よじ登るのも疲れたけどよ、でっけぇ犬がマジ怖くてビビったー」
(犬?!)
「なんでまた会いに来る気になったんだよ?…ん?」
「何?」
「お前、鞄から出てる黒いの…なんだよ」
「くろいのって、!、わー!!やめろぉお!」

ハヤトさんは自分の鞄のほうへ伸ばされた長谷川の腕を掴み肩にかけてからぐるりと体を反転させ、
――長谷川の体が浮いっ…


ダンッッ
と大きな音が響いて、ぐらりと部屋が揺れる。

「ぃっ…!ってぇ!」
ばちりと見開いた長谷川の目には涙が浮かんでいるのではとすら思えた。
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