捧&宝物

□お友達になろう!
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部屋の中にずかずか割り込んで来た桜場は俺の右手首をがっちりとつかみ取って、
「は!?ちょ、何するんすかっ」
一応敬語使用中の俺を無視して部屋の外へ連れ出した。

がちゃん、と扉をしっかり閉めてから先生は俺を氷点下の黒目で射抜く。
「な、なんですか」
「あんなにたくさん男連れ込んで楽しそうだな」
「連れ込っ…!?」
どういう言い掛かりの付け方なのか。男同士でしゃべってるだけで不機嫌になっちゃうとかどこまでめんどくさい奴なんだ。

「変な言い方すんな!隼人さんは普通に後藤の友達だ!」
「だから問題なんだろう。というか、部外者を校内に入れるなんてどういうつもりだ?」
「うぐ」
(…隼人さんが勝手に入ってきたんだけど…いや、あの人だけのせいにすんのは駄目だ。俺だってしゃべってたんだしな…)

「…すみません」
「オレはこのことをお前達の担任に伝えなくてはならない」
「えっ」
「どんな処分が下されるかわからないが、そういうことだ」
(そんな…)

どうしよう。俺はそれなりに勉強してきたし、とてつもなく苦手な運動だってしぶしぶだけど頑張ったつもりだ。
それがこんなとこで―…

「…黙っていて欲しいか?」
「…へ…?」

俺は馬鹿だった。

「オレが黙っていれば、さっきの後藤の友人をすぐに学園から出せば誰にもばれることはないだろ」
「だ、黙っててくれるんですか…!?」

なんでまぁこんなに喜んじゃったんだろうなぁ。アホか俺。

「あぁ」
(良かっ…)

「清水がキスしてくれたらな」

「……………………は?」
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