捧&宝物

□彰×巧己&香夜s×律s
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耳に飛び込むすごくすごく大きな音に、大げさというくらいに肩を跳ねさせてしまう。
たくさんの機械が眩しい光を放っていて目がチカチカとしてしまっていると「律さん大丈夫ですか?」と顔を覗かれた。
胸が高鳴り、赤い顔のまま「大丈夫だよ」と返すとなぜか「反則です…」と赤い顔のまま呟かれた。
…ときどき香夜君は今みたいなことを呟くんだけど…なんでだろ?「律さんこれやってみません?」そう香夜君に聞かれて目にはいったのはコードに繋がれた銃が2つ置いてある機械。
「うんっ!あっ、でもあんまり分からないから香夜君教えてくれる?」
本当にやったことないんだよね、そう困惑顔で言えば「勿論です」と返された。
お金を入れて、何やら香夜君が操作をすると、俺にコードに繋がれている銃を手に取るよう指南する。俺は、おそるおそる銃を手に取って構えた。
「怪物かなんかが出ると思うんで…、…そこをあわせて、引き金を引いてください」
何やら奇妙な声をあげた怪物さん達に狙いを定めて引き金を引いてみると怪物さんが悲鳴をあげ、思わずびくり!と大げさに肩を跳ねさせてしまう。
「律さん、大丈夫ですよ。」
耳元に唇が寄せられて、そう囁かれただけで顔に熱が集まった。
それから俺は香夜君に色々教えてもらってなんとか色々な怪物さんを倒せるようになったんです!
「あ、律さん。少しこれやらせてもらっていいか?」
香夜君が首を傾げながら尋ね、俺は「うんっ、いいよっ」と返した。どうやら香夜君は、この怪物さんをいかに限られた時間で多く倒せるかを競うランキング戦に挑戦してみるみたいです!!
香夜君すっごく上手そうだったし…楽しみだなあ。
俺は香夜君の脇にそっと立ち、少し気味の悪い画面を見つめた。
香夜君が、すっ、とコードに繋がれた銃を構えて引き金を物凄い早さで引いていく。
たくさんの怪物さんが倒れていった。…すごいっ、それに…っ、…カッコいい…っ。
俺は真剣な眼差しに見惚れてしまった。
そして、画面内に「finish!」の文字が浮かび終わりを告げた。
は、入れたの…かなっ??で、でもすっごくたくさん倒してたように見えたんだけど…っ。
なんだか俺が緊張してしまいながらも、画面を見つめるとなんと二位だった。
「おい二位かよ!…コイツ強ェなあ…、後少しなんだけどよっ」
画面には一位の欄に「Akira」と入っている。よ、よくわからないけど香夜君と同じくらいに上手ならしいっ!す、すっごいっ!!
香夜君は「すみません、もう一度やっていいですか?」と俺に尋ねた。「もっ、もちろんだよっ!」と首を縦に振った。
香夜君は「今度こそ入ってみせますっ」と気合いを入れてもう一度挑戦している。
俺はその間ちらりと辺りを見渡した。
色んな人が色んな機械を操作…というか遊んでいて、中には近くの自動販売機で売っているアイスを食べている。
よかった、俺意外と浮いてない!と少しばかり安堵のため息を吐いた。
今香夜君が遊んでいるゲームボックスの向かい側に何やら、同じゲームボックスを遊んでいる二人組の男の人がいた。
一人はよ、よく顔が見えないんだけど、背が香夜君と同じくらいにある赤い髪の男の人で、もう一人は黒髪で眼鏡をかけている細い感じの男の子だった。
どうやら赤い髪の男の人がゲームをしているらしい。
ボックスの柄も何やら同じみたいだし、銃も持ってるし…、もしかして一位の「Akira」さん…かなっ!?…って、そんなに近くにいるはずがない…よな。だって今までの記録…だもんねっ。
どうやら香夜君は白熱しているみたいで、すっごく真剣そうに頑張っているみたいなんだ。
お邪魔しちゃダメ…だよなっ、香夜君喉乾いてるかもだし、ちょうど俺も欲しいし…、買いに行こう!俺は、聞こえるか分からないけど、香夜君に声をかけた。
「きょ、香夜君っ、飲み物買ってくるねっ」
俺は自動販売機を探しに少し香夜君のもとを離れた。それがこれから俺にとって、衝撃的な出会いをもたらすことになるとは知らずにー…。
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