俺についてこい!

□深夜の大暴走!
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「──…よし、今回の補習は終わりだ。次のテストではちゃんと点数取れよ」

パタン、と音を立てて参考書を閉じる夜神先生の声に、俺は詰めていた息を一気に吐き出した。
それから隣の席に座る隆司と顔を見合わせ、安堵の笑みを溢す。

「やっと終わったな!」

「…英語はやっと終わったね」

この間のテスト、この人数の多い学園、二年の中で俺は結構上位の方という結果だった。しかしやはり苦手な英語だけは赤点で…一週間の補習を受けることになってしまった。
隆司も同じく…いや、隆司の場合、保健体育以外ほぼ全て赤点か赤点ギリギリという結果で、英語以外にも補習を受けている。だからこの後も他教科の補習があるらしい。

──…隆司って勉強ダメだったんだな。

神様は全て完璧にはしてくれない。どこかで聞いた事のある言葉が頭の中を過った。






変装がバレ、親衛隊というものが出来て約二週間。
生徒会や風紀の奴らからの接触は今のところあれ以来なく、制裁も殆どなくなって平穏な日々を過ごせている。
…殆どというのは、まだ陰口や地味な嫌がらせが続いているから。
そこまで気にするものでもないから放置してるけど。

それよりも、だ。

…今日は、金曜日。
漸く、あいつらの元へ会いに行くことが出来る。






一度寮の自室に帰り、変装はそのままに制服からいつもの緑のパーカーへと着替えて、まだ補習があるために教室に残った隆司の部屋へと向かった。
──…勿論、神谷先輩に会うために。




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