俺についてこい!

□最狂総長!
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「疾風(ハヤテ)さん、今日の奴らのヘッドしつけますか?」

その夜、薄暗いバーで数十人もの男達が集まっていた。
疾風と呼ばれた男は、カウンターからゆっくりと振り返る。

その彼は、胸くらいまである長い金髪に赤いメッシュをいれ、耳にピアスをしている。
極めつけは誰もが惹かれる瞳。右は黄色で左は青という、綺麗な目をしていた。

「俺はパス。てか、どこのチームだ?」

「えっと……[planet]です」

「planetかぁ……。弱小チームにゃ、興味ないや。ほっといていいよ」

「はいっ!」

そう返事をした男が仲間のところへ戻ると、疾風はスッと立ち上がり、出口へ向かう。
それに気付いた仲間が次々に声を上げた。

「疾風さんっ!!」
「もう、行くんスかぁ?」
「今度はいつくるんすか?」

「気まぐれでな。またな♪」

疾風は、先程の狂気の笑みとは違い、ニッと無邪気な微笑みを向けて仲間に告げ、バーを出ていった。







ピピピッ…ピピピッ…


「うるさい…」


ガシャンッ、


壁に投げ付けた目覚まし時計の破片が部屋の中に飛び散る。
俺は見ないフリをして、欠伸をしながらベッドから降りた。


俺は、坂下隼人(サカシタハヤト)。高2だ。

不良チーム[NatuRal]の総長をしている。
ちなみにNatuRalはNo.1だ。俺が楽しんでケンカをするから、最強と同時に最狂とも言われている。
俺の通り名は[疾風の姫]。姫はムカつくし、意味が分からねぇが、疾風(シップウ)はケンカするときの避けや技が風の様に速いかららしい。
それと、俺はあまりチームで行動しないから、風みたいに掴めないという意味…と仲間が言っていた。

「隼人。話があるから、起きてんなら降りてこい」

「へいへい」

親父に呼ばれて、俺は適当に返事を返し、着替えて部屋を出た。

…まだ、眠い。

しかし、すぐに親父にとんでもないことを言い渡されて眠気は吹っ飛んでしまった。





「今日から明隆学園に通え」


「はぁぁぁぁぁあっ!?」


俺の驚愕の声は、五月晴れの綺麗な空に響き渡った。




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