俺についてこい!
□新入生歓迎会!
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「…今回の新入生歓迎会は鬼ごっこだ。ルールは去年と同じ。鬼はなりたい奴がなれ。逃げる奴らは俺たちの指名の5名だ。
……ちなみに今回は生徒会が鬼側で参加する」
淡々と説明していく西城先輩の最後の一言で、みんながざわついた。
どうしたのかと隆司に問えば、いつもは生徒会は参加しないんだとか。…確かにそれは気になるよな。
「…今年の指名した奴を発表する」
会長がそう言うと体育館内の驚愕の雰囲気が緊張の雰囲気に変わる。自分が指名されないか、ドキドキなんだろう。
「今回は…2‐C加藤徹、金本千種、進藤龍。2‐B橋本隆司……最後に、同じく2‐B坂下隼人が指名された」
「「「「「はぁっ!?」」」」」
指名された俺たちは、同時に声を上げた。
逃げる側になりたかったから、嬉しいのは嬉しいが…
「なんであんな平凡を!?」
「会長までたらしこんだの!?」
「これは嫌だったなぁ…」
一気に周りから聞こえ始める罵声。思わず眉を潜めて溜め息を溢すと隆司が何度目か分からない苦笑を浮かべた。
「指名された奴らはステージに上がれ」
会長がそう告げて、ステージから降りていく。
仕方なく、俺と隆司も立ち上がり、その後に徹、千種、龍も歩き出した。
…同じく深い溜め息を溢して。
ステージへ上がると、徹たちには歓声が、俺には…
「なんだよ!!平凡のくせに!!」
「調子のるなよっ!」
…罵声が。
もういい加減嫌になっちゃうわ。
「ねぇ、旦那?」
「………?」
脳内のノリのまま隣にいた龍に言うと、不思議そうに首を捻る龍。もう仕草が犬みたいで可愛くて…徹じゃねぇけど、悶えた。
「………はや、と…………落ち…着いて…?」
「もう完璧落ち着いてまっせ」
「隼人がぶっ壊れた☆」
「千種、ひでぇよ!隼人はいたって正常だ!!…でもって、やっぱ王道主人公…!」
「徹くんも、落ち着いて…?」
「静かにしてください」
俺達も騒いでいると凜とした落ち着いた声が体育館に響いた。…この声は夕日、いや由紀先輩だ。
「…次に私がルールを説明致します」
「それ言うの僕だよぉ!由紀のばかぁ…っ」
「亜紀、静かにしてなさい!」
「ふぇっ……はぁい…」
…やっぱ、Ravenの朝日と夕日の時と変わんねぇな。良くも悪くも。