俺についてこい!
□新入生歓迎会!
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「…では、ルールを説明します。基本的には普通の鬼ごっこと変わりません」
由紀先輩が淡々と話していく中、俺への視線攻撃は止まずにぶつけられている。
…かなり痛いです。
「逃げてはいけない場所は寮の中や特別搭、立ち入り禁止区域です。それ以外は、学園の中ならば大丈夫です」
学園の中ならばって、学園の外まで逃げる奴いるのか?
隣の徹に目で問掛ければ、首を傾げられた。こいつは癒されない。
「ちなみに、これには特典がつきます」
きたきた!と本来の目的であるそれを聞き逃さないように由紀先輩の方へと耳を傾ける。
「鬼は捕まえれば、捕まえた相手に1つ願いを叶えてもらえます。逃げる側も逃げ切れば生徒会に願いを叶えてもらえます」
それを聞いて、俺も含め全校生徒が目を輝かせた。
「…ですが、叶えられるもののみです」
つまり、"退学しろ"とかはダメということだ。
いくら願いを叶えると言ってもここまでデカいと学園の方もマズイのだろう。…当たり前だが。
「また、この行事に紛れておかしな事をしないようにしてください」
「おかしな事?」
意味が分からず、思わず口に出してしまった。すると、間を置かずに千種が問いの答えを言う。
「親衛隊の制裁とか、強姦とかだよ〜☆」
「あぁ。そゆこと。…つか、そんな事いつもの笑顔で言うなよ」
ちょっと引き気味で言うと千種は「だって、僕には関係ないもん☆」と、これまた満面の笑みで告げる。
千種も親衛隊いるんだろうが…千種が怖いです、何かしてそうで。
「…以上が簡単なルール説明です。例年通り、監視カメラは各場所についていますので、ハメをはずしている方がいれば、すぐに駆け付けます」
す、と千種から視線を外した時、由紀先輩はそれだけ言うとステージを降りていった。
ヒヨコより、由紀先輩の方が会長に向いていると思うのは俺だけか…?
「それじゃあ、鬼ごっこ開始しまぁーっす♪」
「「「ぅおおぉぉぉーー!!!!」」」
「逃げる人達は、逃げる前にコレを左腕に付けてねぇ♪」
亜紀先輩は俺たちに白の腕章を配る。受け取った俺たちは言われた通りにそれを左腕に付けてみる。…普通のより、少しだけ重たい。
「みんなぁ、この白の腕章が逃げる人達の目印だからねぇ。間違っても鬼さんが鬼さんを捕まえないよーにぃ!」
「「「「はぁーーい!」」」」
「あ、腕章外したらぁ、ブザー鳴るようになってるからねぇ。ちなみにこんくらいの大きさぁ!」
早々と告げると、亜紀先輩は予備(?)の腕章を一度己の腕に装着してからすぐに外してみせる。