俺についてこい!
□新入生歓迎会!
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ビーーーーーーーっ!
ビーーーーーーーっ!
「ゔっ……」
「っ……!」
途端に響き渡る耳を引き裂くような大きな音に俺は耳を塞いだ。凄い音だ。
ピッ
「分かったぁ?こんなに大きいからぁ、遠くの鬼さんにもハッキリ聞こえちゃうからねぇ♪」
「は、い…」
かろうじて、聞こえる亜紀先輩の声。…耳鳴りがしている。
「じゃ、みんなぁ、10分数えようねぇ♪」
「「「「はぁーーい!」」」」
「よーーい…
……スタート!」
亜紀先輩の楽しげな合図と共に、俺たちは一斉に走り出した。
「はぁっ…ッは…」
「隼人、大丈夫?」
校舎まで走り続けて、俺と隆司は走るのを一度やめた。
ゼェゼェと荒い息をする俺と、息切れ1つなしに、涼しい顔で俺の心配をする隆司。
「たか、し…おま…何で…っは、」
「何で息切れないのかって?俺、一応スポーツ全般得意で、助っ人をよく頼まれるから体力は並よりかなりあるんだ」
「くっ、そ…」
なんかムカつく。
俺、反射神経良くても体力は普通だからな。羨ましい。
『ガガッ──……逃げてる人達、聞こえてる〜?』
突然、近くにあるスピーカーから蓮先輩の間延びした声が聞こえてきた。
「うるせぇぐらい聞こえてるっつーの」
『隼人、悪態つかないでよ〜』
「な゙っ!?」
「隼人、カメラにマイクでもついてるんだよ」
『ピンポーン!橋本くん、せいかーい♪』
「うぜぇ…」
『隼人〜?黙んないとチューするぞ〜?』
ゾクッ
…鳥肌がたった。
「ごめんなさいすみません黙りますのでキモいことはやめてください!」
『え〜?つまんないの〜……』
つまんなくないし。男とキスなんかもう勘弁してほしいデス。
俺は粟立つ腕を両手で擦った。そうしていると蓮先輩が『あ』と、何かを思い出したように言う。
「副会長、どうしました?」
『ごっめーん。俺、加藤くんたちの話聞いてなかった〜』
唐突に徹の名前が出てきて俺と隆司は首を捻る。
『ごめんって〜。今からちゃんと………───え?もう10分経つの〜?加藤くん、金本くんごめんね〜?進藤くんは、喋ってないけどなんか怒ってるよね〜』
どうやら千種や徹の話も聞こえるみたいだ。…返事してなかったみたいだが。