俺についてこい!
□生徒会役員の支配!
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「…ごめん。俺は隼人の側にいるよ」
「隆司様…!」
「大切な友達だから。危ないのに放っておけないよ。君達が俺を守りたいって思うのと同じだよ」
真剣に親衛隊のコの目を見つめて、それでも微笑んで柔らかく言う。同じ思いだと言えば彼等は言葉を詰まらせてしまった。
まずったかな、とか不安を抱くと親衛隊のコ達のリーダーらしき人が溜め息混じりに微笑んだ。
「……分かりました。隆司様をあいつから無理に離そうとはしません」
他のコが驚いた様子の中、落ち着いた声色で続ける彼にホッとする。けど、と言葉は更に紡がれて俺はきょとんと首を傾げる。
「僕達も隆司様を守ります。隆司様に被害が及ぶなんてこと、あってほしくないんです」
「っ……」
真剣に言われた言葉に俺は思わず息を飲む。何でこんなに俺を思ってくれてるのかは分からない。けれど単純に嬉しいと思った。
だから、立ち上がって俺は無意識に彼の頭を撫でた。
「ぇ…」
「ありがとう。でも、君達も巻き込まれないように気を付けてね。俺は大丈夫だから」
そう言えば親衛隊のコ達は真っ赤になって。
「「「〜〜〜っ」」」
バタンッ
「ぇ、ぇえっ!?ちょ、大丈夫!?」
俺は、気絶させるような事をしただろうか。
〜隼人 side〜
「……っ」
俺は周りの視線から逃れるように、寝たフリをしていた。
HRが始まっても隆司は戻ってきていない。せめて隆司がいれば、少しは和らぐのに…!なんて思っていても、隆司がすぐに帰ってくるわけもなく。
黒板の前に立つ夜神先生は俺の状況に気付いてくれたようで大きな溜め息を吐いた。
「お前ら、隼人をなんつー目で見てんだ」
眉間に皺を寄せながら微かに厳しい声で発せられた声にクラスメイト達は一斉に夜神先生を見た。
「「「………」」」
「はぁ……分かった。親衛隊の奴らは当たり前に怒ってんな。けどそこまで厳しい命令は隼人は出さねぇだろうから。なぁ隼人?」
「ワォ。そこで急に聞きますか先生。………もち、軽いパシリ程度で…飯奢ってもらうくらいです。別に馴れ合いたくないんで」
あぁいう奴ら苦手なんです、と顔を上げて素直に言えば、スッと視線が和らいだ。
「な?だから安心しろ、隼人は生徒会に好意を持ってる訳じゃない。…他の奴らはただ単に怖じ気付いてるだけだろ?」
夜神先生がそう問掛ければ、親衛隊らしき生徒以外が揃って頷く。
それを見てふっと目を細める夜神先生。
「どうせ生徒会を従わせるなんて命知らずの奴だ、なんて思ってんだろ」
なんて自信満々に言う夜神先生に、俺は少し感心してしまった。