俺についてこい!
□生徒会役員の支配!
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先生が言ったことは全て当たっていたのか、クラスメイトは全員気まずそうにうつ向いてしまう。
「……ただのホストじゃなかったんだな…」
「…隼人、誰がホストだって?」
心で呟いた筈なのに青筋を浮かべた先生から返答がきて、慌てて口を抑えたが時既に遅し。
また声に出しちまったぁぁあ!
「昼休み、英語準備室に来い。お仕置きしてやるよ」
………ものすごく遠慮したいです。
「あの、」
「んぁ?」
HRが終わり、夜神先生の言葉を思い出して頭を痛めていると、クラスメイトがぞろぞろと俺を取り囲んできた。
その何とも言えない圧迫感に思わず目を瞬く。
「えっと…?」
何も言わずに黙りこむクラスメイトにきょとんと首を傾げれば、ガバッと一斉に頭を下げられる。
「「「ごめんなさいっ」」」
「へっ?」
告げられた言葉に間抜けな声を洩らす俺。
え、いや、だって大勢頭下げられるとか初体験だもの!
「平凡のくせに生徒会に取り入ろうとしてるのかと思って…」
「俺、生徒会の奴ら苦手なんだ。食堂での事だって忘れたいくらい。つか、男に興味ねぇし」
「「「………」」」
うつ向きながら言うチワワに素直に思ったことを返せば、ポカンと間抜け面を晒すクラスメイト達。何故唖然とした表情を晒すのか分からず、首を傾げる俺。
数秒してから安堵した笑みを一斉に浮かべた。
「そうだよな!外部から来たんだもんな、平凡はっ」
「だよねっ。なぁんだ、心配して損したぁ」
突然元気にきゃーきゃー言う彼らにまた首を傾げる。
というか…、
「俺、坂下隼人なんだけど、名前」
いつまでも平凡呼ばわりは癪だ。
そういう気持ちでクラスメイト達に告げれば、うんっと一斉に頷いて“よろしくな、坂下”“よろしく、坂下くん”等と次々と言われた。
なんとかクラスメイトは味方につけられた、なんて嬉しくて、思わず笑みを浮かべると皆硬直してしまった。
「……?」
きょとんと首を傾げれば、一部の男子がぎこちなく目を反らして、またな、と席に戻り、チワワ達は顔を赤くしながらまたきゃーきゃー言って俺の周りから離れた。
……なんなんだ。
「ただいま、隼人」
「あ、おかえり」
眼鏡を押し上げていると後ろのドアが開き、未だジャージ姿の隆司が帰ってきて、その後はいつも通り授業を受けたのだ。