四
□君地獄
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嫌だ、
もう苦しみたくない。
貴女は知ってますか?
貴女が誰かと話してるのを見て、拳を壁に叩きつける俺を。
貴女が誰かと笑いあっているのを見て、カッター片手に血を流す俺を。
貴女が誰かに触れるのを見て、薬の大量摂取で何度も倒れとる俺を。
好きすぎて、どうにかなってしまいそうだ。
想いすぎて、狂ってしまいそうだ。
そうだ――――、
「殺して。」
嗚呼、
早く、
君から解放して――、
俺は俺にカッターを握らされた貴女の震えた手を握り締め、喉仏へとあてがった。
(どうか)(愛する君の手で、)
俺の最後を彩る貴女の悲鳴。
嗚呼、なんて素晴らしいセカイ。
*