短編2

□女王様の
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きっかけ?
ただ同じクラスとか
ただ隣の席とかに
なったというだけ


それ以外に
私と佐久間くんは
接点が無いと思うのだけど


佐久間くんの視線は
他人を突き刺す為に
あるんですかと
聞きたくなるくらい
痛かった


何か悪い事したかなと
不安になって考えてみる


女王様の氷点下の眼差し



きっかけ?
ただ同じクラスとか
ただ隣の席とかに
なったというだけ


それ以外に俺と彼女に
接点は無い


偶々一年の頃
廊下でぶつかったのだが
その時に惚れたのだ


周りのチャラチャラしてる
女達とは違って
かっちりしてる正統派
なのに抜けてる可愛い奴


はっきり言えば
女が嫌いな俺


だから女との接し方が
全くもって解らない


源田に貰った
水族館の招待チケット


確か彼女もペンギンが
好きだからと
お前でも会話しやすい筈と
彼女を誘えと言う


誘う機会を伺うも
どうもタイミングが解らないし
勇気も出せない


鬼道は案外言い出せば
後はスラスラ言えるだろうと
言うのだけど


真面目な話、
周りの女子が嫌だった


こうなったら呼び出ししか
残された道は無い




周りの女の子は
佐久間くんの視線に
黄色い声を上げた


なんでもあの目つきが
良いらしいのだ


私はというと彼の視線は
某白兎を追いかける小説の
登場人物の女王様って
こんな感じなんだろうなと
思いを巡らせた


あんなに綺麗な顔立ちなら
眉間にシワをよせるなんて
本当にもったいない


私の周りの女の子の中に
好きな子が居て
邪魔に思ってるのかなとか
気に食わない様な行動を
取ってしまったかなと
やっぱり私は不安だ


ほら、目があったのに
反らされてしまった


相当これは嫌われてるな


この時点で
少女は気付かない


あまり意識してなかった
佐久間の事ばかり
考えてることを




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