短編2

□カウントダウン
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少しでも幼なじみから
抜け出したくて


スカートの丈を膝下から
膝上に上げてみたり
普段下ろしてる髪を
結んでみたり


世の中の女の子は
大変だなと思いながら
私は家を出た


「おはよ」「おはよう」


『おはよう、二人とも』


昔からの付き合いである
蘭丸と拓人と毎朝登校する


今回の名付けて
お色気作戦(?)は
蘭丸の提案なのだ


「お前、」


『何、拓人?』


顔を赤くし
彼は私のスカートを指差す


「す、スカート丈が
いつもより短いぞ」


『折ってみたの』


「体冷やしたら
どうするんだ」


いやいや、突っ込みは
そこなの拓人?


お母さんじゃないんだから


『だって、』


「しかも髪も結んだのか」


「(神童、見過ぎだろ)」


『変、ですか?』


もう嫌だ、
拓人ったら怒るんだもん


拓人の為に頑張ったのに


「いや、その」


突然掛けられたのは
拓人の部ジャー


『拓人?』


「その首筋とか
ああもう、あのなあ!!」


両肩を掴まれ
私は彼と向き合う形


「可愛いんだが
他の男に、お前の姿
見せたくないんだよ」


そういって
駆けていった拓人を
私は呆然と見ていた


『これって
成功なの、蘭丸?』


「お前も、神童も
互いに鈍いというか
ハッキリしないよな」


『え、』


「普段はハッキリと
物事言える癖に
互いの事になると
すぐオレを頼るんだから」


『あの、蘭丸?』


「追いかければ?」




カウントダウン、3、2、1




蘭丸は眩しそうに
走る彼女の背中を見て
やっと決着が付くのかと
喜びで胸が
満たされるのだった




―――――――――
これで幼なじみネタは
何話目なんですかね(笑)

*


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