短編

□星の輝きよ、
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空は、


星で埋め尽くされた。


月の光も、


人工的な灯りも無い夜。








それは任務の帰り。


汽車を待つ、


プラットホームでだった。


前日は大雪。


その影響か、電気が


来なくなったそうだ。


“誠にご迷惑をお掛けしています。”


駅員が必死に声を出し、


先程まで客に謝っていた。



『嘘みたいに、静かだね。』


神「そうだな。」


客の怒鳴り声も、


慌てふためく足音も


何時の間にか消えていた。


『ねぇ、神田。』


“何だ”と神田が


眉をひそめ、


私を見た気がした。


『星が私たちを見守っているなんて、嘘だよね。』


神「ハッ。元々、星は生きてないからな。」


『そういう事じゃなくてね、』


神「じゃあ、何だよ。」





今見ている星は


ずっと昔の姿で、


現在(イマ)は違う姿形を


しているらしいんだ。


だからさ、


星の一生を


見守っているのは


私達だよね。






神「…、」


『難しかった?』


神「バカか、お前は。」


『違うよ。』


神「突然、らしくない事を言うな。」


『どうせ、何時もはバカで、助けられてばっかりだよ。』


神「ハッ、」







『最近さ、色んな事考えるようになったんだ。』


神「頭、壊れるぞ。」


『煩いってば!!』



風はどこから来て、


どこに帰るのか。


争いは何故生まれ、


終わらないのか。


『何故、私はこの地球に生まれ、神田に会えたのかとかさ。』


神「何が、お前を不安にさせる。」


『えっ、』


神「お前らしくない。」






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