私の人生非日常

□新たな仲間(トモ)
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『わ、しかも隣の席!』



教室に入ると座席表が黒板に張られていた

見てみるとなんと蔵と同じ席
前は誰だろう……


あれ?
この苗字もしかして……

いや、でもそんな偶然いらない


暫く前の席の名前と睨めっこをしていたが席に着くことにした


前の席は空席
まだ来ていないのか

座席表には苗字しか書かれていなかったため男か女かどちらかわからない

だが自分の予想では男の確率が高い
なんたって……



「李華聞いてる?」

『あ、ごめん……前の席の人のこと考えてた』

「あぁ、一氏やっけ」

『あ、あれやっぱ"ひとうじ"なんや』



ますます確率が高まる



『侑士元気にしとるかなぁ』

「そればっかやなぁ、俺のことは心配せんのに」



ふと口にしたこと

手紙のやり取りはしているけどやっぱ心配なのは心配で


でも何故か蔵は不貞腐れていた



『そりゃ、ずっといるし元気かどうかなんてわかるやん』

「俺はいつも李華の心配してんのになぁ」

『ごめんって、蔵も大切な人やから!』



なんだか嫌みな言い方だ

でもうちは学習した
反論したら蔵は怖いんだ

だから素直に謝って素直に答える


そしたら何故か蔵は間抜けな表情にコロッと変わった



「李華が素直……」

『うちも素直な時だってありますー』



失礼すぎる

うちは小学校のあの頃から侑士も蔵も信用しきっている
嫌いになんてなれないし、むしろ大好きだ

この二人なら素直にだってなれる


まぁ、素直になったのは最近だけれども


そういえばもう大阪には大分慣れた
大阪生まれの大阪育ちですって言い切れるぐらいだ



ガラッ



蔵と侑士の話をしていたらドアがあいた

まだ入学式には早い
ということはこのクラスに振り分けられた生徒だろう

扉に目を向ければ少し外に撥ねた黒髪の男の子


あれは……


予想が的中してまじまじと見る

視線に気づいたのか目が合ってしまって、とっさに目をそらしてしまった




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