幻想異文録〜異妖編〜

□第一章 第二節『軍師と見合いと権力者』
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京都 嵐山

太蔭「気持ち悪い…」
神炎「ぅぅ〜…」
麗奈「どうしたの?」
雪「二人は死神なんで京都の澄んだ霊気が苦手なんです。」
勠剛「寺社仏閣が多いからな。でも、奈良も多いよな…奈良は平気なのに京都は駄目なのか?」
太蔭「最初は奈良も駄目だったよ…耐性はつくけど…」
神炎「慣れれば京都も大丈夫…」
月影「不便なの?便利なの?」
煉「さあ…」
勠剛「京都は殺神に襲われなかったのか…」
月影「活気あるね。」
太蔭「殺神みたいに負の霊気が強いのは入る事さえ出来ないよ…京都の霊気はそれだけ綺麗だから…」
麗奈「じゃあ京都は安全なんだ」
神炎「解らない…遠野小角なら何か策を練ってるはず…」
煉「でも暫くは大丈夫だろ?」
太蔭「多分…」

雪「二人とも本当に辛そう…」
勠剛「少し休もう。この店で良いか?」

勠剛は一件の甘味処を指す。

神炎「任せる…」
太蔭「私もお任せ…」



雪「えっと…私は抹茶セット」
月影「私もそれ。」
麗奈「私も〜」
勠剛「俺は京風うどん。」
煉「俺は山菜そば。神炎と太蔭は?」
太蔭「取り敢えず水を…」
神炎「音羽の滝の学問成就の…」
店員「お客様…メニューに無い物は…」
雪「二人には宇治金時をお願いします!」
店員「はい。ご注文繰り返します。京風うどんがお一つに山菜そばがお一つ。宇治金時がお二つに抹茶セットが三つでよろしいでしょうか?」
月影「はい。」
店員「少々お待ちください。オーダー入ります!」
雪「それでこれからの事だけどね…」

柳「ちょっと将神!」
神教徒服の男「うるせぇ女だな。黙ってろ。」
柳「だから街中でトラブル起こすな!」
神教徒服の男「女!こんな雑魚に逃げ腰になってんな!お前に負けた俺まで弱いみたいだろが!」
チンピラ「雑魚だあ!?」
柳「いや逃げてないから。裏に連れ出せ。」
神教徒服の男「話が解るな女!(笑顔)」
柳「さっさと連れ出せ。」
神教徒服の男「おうよ!」


ビシッ!バシッ!ドカッ!バキッ!グシャッ!


チンピラ「申し訳ありませんした…」
柳「解れば良いのよ。」

雪「世の中凄い人もいるんですね…勠剛さん?」
勠剛「目を合わせたくない…ここは他人のフリでやり過ごそう。」
柳「あれ?勠!」
神教徒服の男「知り合いか?」
勠剛「知りません!初対面です!」
神教徒服の男「そうか…」
柳「鳳炎寺 勠剛。私の弟よ。」
勠剛「人違いです。」
柳「そっか…『大きくなったらお姉ちゃんのお婿さんになる!』って言ってた勠剛じゃないんだ…」
月影「そんなことを…!?勠剛の浮気者!」
勠剛「誤解だ!姉さん!」
柳「やっぱり勠だ。」
勠剛「しまった…!」
神教徒服の男「知り合いなら紹介しろ。」
柳「ええ。さっきも言ったけど弟の勠剛よ。勠、こっちは私の下僕の将神よ。」
勠剛「はじめまして…」
将神「おう。で、そっちは?」
月影「勠剛の正妻の月影です!」
雪「勠剛の愛人一号の雪です。」
麗奈「愛人二号の麗奈で〜す!」
煉「勠剛の執事の煉です。そっちの半屍が愛人三号の太蔭と愛人四号の神炎です。」
太蔭&神炎「〜…」
勠剛「冗談でもそれは…は!?」
柳「随分と良いハーレム環境を作ってるわね…」
将神「羨ましいな。俺にも一人くれ!」
柳「二人とも裏に来なさい。」


以下省略


将神「乱暴な姉を持つと苦労するだろ?」
勠剛「まったくだ…姉さんみたいなのと行動して疲れないか?」
将神「あの女の霊力が欲しいから仕方なく行動を共にしている。」
勠剛「姉さんの霊力?」
将神「あの女と俺は神将なんだけどよ…俺は神将の立場より大事な立場があるんだ。その為にどうしても霊力が欲しいんだよ。」
勠剛「神将!?姉さんが!?」
麗奈「そういえば言ってなかったよね。神将の名前は全員知ってたけど。」
勠剛「そういうのは早く言え…」
柳「私が神将じゃ悪い?」
勠剛「ははは…悪くないよ…じゃあ俺達はこれで!」
雪「柳さん…で良いですか?私達も神将なんです。一緒に戦ってくれませんか?」
柳「え?どういうこと?」
勠剛「雪!」
麗奈「そのまんまの意味ですよ。」
柳「OK!」
将神「毎日喧嘩ですか?それは楽しそうです。」
柳「それは無い。」
勠剛「腹立たしい!」
雪「仲間が増えましたね♪」
麗奈「楽しくなりそう♪」
勠剛「悪夢だ!」
煉「あの〜…」
勠剛「何だ!?」
煉「屍どうします?」
神炎「あ…宇治金時美味しい…」
太蔭「あんこが甘くていいな〜…」
勠剛「死して屍拾うもの無し。」



柳「じゃあなにも人間だけが神将に選ばれるわけじゃないのね。」
雪「はい。私と神炎はたまたま幻想異文録を拾ったんです。」
柳「太蔭ちゃんは神将じゃないの?」
太蔭「うん…死神…」
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