□どうしてこうなった
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俺は天人を嫌っていたはずだ。恨んでいたはずだ。憎んでいたはずだ。

「あ、ヅラ!」
「ズラじゃない桂だ」
「どっちでもいいネ。それより酢昆布奢るヨロシ」

何ともまぁ高飛車な態度な少女。
端から見たら"可愛らしい"の一言だが、この少女は正真正銘俺がこの国から排除すべき天人だ。

「ねー奢れヨー。ヅラぁ」

消さなければ。滅ぼさねば。

「ヅラ?」

戦え、殺せ、我等が愛した国の為に。

「桂!!」
「ッ!な、何だリーダー?」
「何だじゃねーダロ!なにヨ、具合悪いアルか?」
「・・・いや」
「そう?」
「それより今日は懐に余裕がある、何か奢ろう」
「キャッホォー!酢昆布ネ!酢昆布を買いに行くアル!」


どうしてこうなった


この少女と手を繋いで嬉々とした気分を抱いた俺に、もう天人は殺せない。

END

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