文
□その発想はなかった
1ページ/1ページ
一年に一度だけ会える日。
でも時と場合によっては、その日すら奪われてしまう。
悲しい悲しい、織姫と彦星。
例えば私が織姫だったら、本当に好きで好きで愛している人と一年に一度しか会えないとなったら、果たして耐えられるだろうか。
答えはいいえ。
そんな辛い日々を過ごすくらいなら、私は天の川に身を投げる。
そして、彦星と出逢った過去も何もかも忘れて。
ただ惨めな物語として人に語り継がれる。
「七夕の日は雨が多いアルな」
その発想はなかった
織姫さま、生憎のお天気ですが、身投げをする天の川は見えますか?
END
七夕!七夕!