□そしてこの笑顔である
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「おう、チャイナ」
「げ、何しに来たアルか」

いつも通りの生意気な口調。
いつも通りの憎たらしい顔。

全部いつも通り。に見えるだけ。

本当は違う。

「お前こそ何してたんでェ」
「別に、銀ちゃんと新八を待ってるだけネ」

待ってるだけ。
そう、この娘は待ってるだけ。
二度と帰りはしない人間を。

「今日の夕飯当番は私アル。だから気合い入れて卵割るネ!」
「そうかィ」

そう言って楽しそうに笑うコイツ。
本当に滑稽な話でさァ。

「なァ」
「何ヨ、言っとくけどお前なんか夕飯に呼んでやんねーかんな」
「頼んでねェよ」

笑う笑う。満面の笑み。


そしてこの笑顔である


コイツの絶望した顔が見たくないから、誰もコイツに何も言えないんだ。

コイツの為の小芝居は続く。

END

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