幻想入り(仮)2

□「天子脱走未遂」
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依玖「・・・」
現「・・・ん?」
依玖さんが部屋から出て行くのが見えた。
現「どうしたんだ?」
後を追ってみるか・・・
天子「よし、これでオッケイっと」
依玖「なにがオッケイなんですか?」
天子「!?」
依玖「まったく・・・今日は珍しくおとなしいと思ったら・・・」
天子「なんで見つかるのよ〜」
依玖「動き出したのがわかるのですよ」
天子「なんでよ〜」
依玖「慣れだと思います」
天子「くそ〜」
依玖「どこに行くつもりですか?」
天子「せっかくここに遊びにきたのに見張りつきは嫌なのよ」
依玖「このような勝手な行動をとるからでしょう?」
天子「う〜」
依玖「次、このようなことがあったらどうなるか・・・わかりますね?」
天子「わ、わかったわよ」
現「起きるのがはやいんですね〜まだ真夜中ですよ」
天子「違うわよ!ってなんであんたがここにいるのよ」
依玖「起こしてしまいましたか?」
現「微かな音でも聞こえるので・・・」
依玖「すみません」
現「気にしなくてもいいですよ」
天子「寝てても聞こえるんだ?」
現「聞こえますよ」
依玖「やはり、総領娘様と同じ階の方がよかったですね」
現「そのようですね」
天子「これだったら同じ部屋にいなくても同じだわ・・・」
依玖「やはり、それが狙いだったのですね」
天子「別の部屋にいればバレないと思ったのに・・・」
現「じゃあ、俺は部屋に戻りますね」
依玖「わたしもすぐに戻りますから」
天子「あれ?もしかして・・・依玖、現の部屋にいるの?」
依玖「そうですよ。この階には他に部屋がなかったので」
天子「流石にそれはやばいでしょ・・・」
依玖「なぜですか?」
天子「なぜって・・・」
依玖「あなたを見張るためです。現さんも、了解してくれました」
天子「・・・」
依玖「はやく寝ないと明日起きられませんよ?」
天子「子供じゃないんだから・・・寝坊なんてする訳ないでしょ!」
依玖「一応、朝には起こしにきますので・・・」
天子「あんたが来る前には起きてるわよ!」
依玖(多分無理ですね・・・)
依玖「わかりました」
〜依玖さん移動中〜
依玖「現さんは、もう寝ているようですね」
床で寝ていて風邪を引かないだろうか?使い魔は風邪を引かないのだろうか?
依玖「確か、旅が長引くかもと思い何着か着替えを持って来たはず・・・」
それを掛けておけば多少は寒さを和らげれるはず・・・
依玖「これでいいか・・・」
目が覚めないように音を立てないようにベットに戻る。
依玖「さて、明日に備えてはやめに寝なければ」
〜就寝中〜
現「・・・夜明けか」
最近、日の出もはやくなったよな。
現「ん?これは・・・服?」
依玖さんだろうか?ありがたい。
現「おおぅ・・・凍えるような寒さだ」
朝方はまだ寒いということを忘れていた。
依玖「・・・うぅ」
現「ん?」
依玖「・・・現さん、起きるのが・・・はやいですね」
現「起こしてしまいましたか?」
依玖「さ、寒い・・・」
現「大丈夫ではなさそうですね」
依玖「現さん、よくこの寒さで寝られましたね」
現「これのお陰ですかね」
依玖「それは、わたしの着替え用の服ですよ。でも、それで寒さを防げますかね?」
現「ないよりはましでしたよ。ありがとうございました」
依玖「いえいえ、布団を借りている身ですので、お礼はいりませんよ」
現「そうですか」
依玖「さて、総領娘様を起こさなければ」
現「俺も、お嬢様を起こさなければ」
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