ムシウタ

□暴走
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こんな出来事は、誰が想像しようか―?





「あぁ、調査したが、問題は無かった。」

ある日、『かっこう』いや薬屋大助は、 特別環境保全事務局 『特環』からの任務を終え、帰宅していた。

大助は無事、帰宅し、疲れた身心を癒すため眠りに入ろうとしていた。

「つっかれた〜。」
布団に転がって、早々に眠りに付こうと思ったが、仰向けになった大助に、一匹の異様に触角の長い 虫が眼前を飛んでいた。

『かっこう虫』
大助が虫憑きになって、ずっと一時も離れず、憑き従っていた虫だ。

大助に力を与え、代償に大助の夢を喰い続けるもの―。

「なんだよ。かっこう?」

……………
数秒だったか、数時間だったか、一人と一匹が自らの視線を 交錯しあっていた。
先に動いたのは、一匹の方だった。

大助の差し出した人差し指に、ふわりっと止まり、長い触角を動かした。

普段と異なる自らの虫『かっこう』に大助は、表情には出さないが、少なからず 不思議に思った。

飽きたとばかりに、大助が『かっこう』を振り払おうと、思った瞬間――!
大助が命令も出していないのにも関わらず、『かっこう』は 大助の体に同化した。

「な!どうゆう事だ!!」

大助が、驚くのも無理は無い。
虫とゆうものは、憑いた主の命令が無い限り、通常は行動はしないのである。

「く、離れろ、かっこう!」
大助の抵抗虚しく、完全に『かっこう』は同化してしまった。

「!…たくっ、どうしろってんだよっ!」

本当、何なんだよっ ちっ

先ほど、手足を動かそうとしたら、全くもって動かない。
それもそのはず、今や大助の体は、『かっこう』によって、支配されて要るからだ。

大助が、どうするものかと、考えていると、おもむろに、大助の手が動いた。

そして、なんと大助の自身を掴み、上下にスキ出したのである。

『んな!あく、やめろ!かっこう、かっこう!』

大助だって健全な男子高校生である。
自身をスイたのだって何度かある。

しかし、これは、自身でスイたのとは全く違って、いや、こちらの方が断然気持ち良いのである。

『ふぁぁ、くぁあ、ャメ、やめろ』

大助が抗議の声を上げるが、いっこに止まる気配は、無い。
それどころか、行為は、エスカレートしてゆく―。

『かっこう』は大助自身の頂点に爪を立て、ぐりぐりと押し付ける。

「ひぁぁぁ、んぁン、やめてっくれ、アあぁァ」

「いぁ、イク、アァ」

「あぐ、なんで!」
大助がイク直前、『かっこう』が大助自身の根元を握ったのだ。
「うぁ、くるしぃ」
『かっこう』は、苦しがる大助を無視し なおも大助自身を愛撫する。

大助自身が耐え切れず、ふるふると震えだす。

「も、たのむ…から、ゆ、るして」

やっと大助自身を解放した『かっこう』 は、ラストスパートっと言わんばかりに愛撫を、激しくする。

「んあ!!はぁぁ、も、むりぃ」

あああぁぁあァァ――――!!

くた…

放出と同時に気を喪った大助…

その、側に同化を解いた、異様に触角の長い虫『かっこう』が、大助の頬に顔を擦り寄せ、長い触角をふわりと、振るわせていた。
 

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