Snow White

□ある人との思わぬ再会
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その小さな声に気付いたのか、シャマルが瑠璃華の方を見る

そして、親しげに手を振った




「おー瑠璃華ちゃん!ずいぶん久しぶりに会ったな」

「シャマルさんお久しぶりです!…でもどうして、シャマルさんがここに?」

「なぁに、ちょっとした野暮用でな」




いきなり親しげに話す瑠璃華とシャマルに、ツナと獄寺は思わずツッコんだ



「えぇっ?!瑠璃華ちゃん、もしかしてシャマルと知り合いなの!?」

「っテメー、ついに一般人にまで手を出しやがったか!!」

「え?」




真っ青になるツナに、なぜかキレる獄寺に、ポカンとなる瑠璃華

そしてシャマルはめんどくさそうに頭をかいた




「なんだよ隼人。そんなに怒ることないだろ?」

「そ、そーだよ獄寺君…私、昔…シャマルさんにお世話になって」

「お世話?」

「…うん」



瑠璃華に嘘をついてる様子はない…どうやら、本当のことらしかった





「シャマルさん、あの時は本当にお世話になりました」



ペコリと頭を下げる瑠璃華に、シャマルは軽く笑う




「気にすんなっての。そんなことより、元気か?」

「はい!」



笑顔で答える瑠璃華に、シャマルは顎に手を当て、唸るようにこう言った





「……しっかし、瑠璃華ちゃんも可愛くなったねぇ!」


「…はい?」

「今度、おじさんとデートに行かない?」




…雲行きが怪しくなってきた。

ツナと獄寺もそれを感じたのか、瑠璃華からシャマルを引き離しにかかる




「ちょ、何瑠璃華ちゃんを誘ってるんですかっ!?」

「テメーやっぱ狙ってるんじゃねーか!」


「今度いつがいい?」

「はぁ…」



お誘いをどう断ろうか…

瑠璃華がそう考えていたその時、今まで黙っていた山本が言いにくそうに言った




「あのさ、早く屋上行かねーか?あんま時間ねーし…」



オレ、腹減っちまってさ!
と笑う山本に、ツナと獄寺は心の中で((山本ナイス!!))と思った

ツナと獄寺がシンクロした、貴重な瞬間である




「そ、そーだよね!オレらもお腹すいたよね!早く行こっか、獄寺君、瑠璃華ちゃん!」

「へ?」

「そ、そうっスよね10代目!オラ天草、さっさと行くぞ!」

「?う、うん…」





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