Snow White
□お隣りさん家は子沢山?
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背が低いことを指摘されたツナは思わずツッコむが、奈々はにこやかに笑っている
一方ビアンキは奈々が作った料理をつまみ食いしていた
…つまみ食いすんなって!
「ん…相変わらず美味しいわママン。ママンの料理は世界一よ」
「まぁ…!ありがとねビアンキちゃん!母さん、ますます張り切っちゃうわ!」
「張り切らないでよ…」
そんなツナの言葉は奈々には届かず、奈々はまな板に置いた包丁を手に持った
…やはり、当分はやめる気はなさそうだった
「…ところでツナ、リボーンを見なかったかしら?」
「リボーン?」
そういえば見ていない
どうやらビアンキは、リボーンを探しているようだった
ビアンキはため息をつく
「さっきからリボーンを探してるんだけど、何故かいないのよ…
はぁ…せっかくリボーンの為に愛のつまった料理作ったのに……」
ブショワアァァ…
一体どこから取り出したのか、いかにも毒々しい料理を手に持ち、ビアンキは憂いの表情を見せる
その料理から出ている毒々しい煙が、その辺りに飛んでいたハエを床に撃墜させているとは、たぶんビアンキは知らない
心の中で思っているのは、ただただ愛しいリボーンのことだけだが…
一体、この毒々しい料理のどこが愛なんだろうか。
「(……だからだと思うよ)」
もちろんツナは、そんなビアンキの恐ろしさを知っているので、そんな心の中の声を口にすることはなかった
すると、台所に牛柄の服を来た、騒がしい子供が入ってきた
「ガハハハハハ!!ランボさん登場だもんねっ!」
「ランボ!」
ツナの足元にちょこんと現れたのは、もうすっかり沢田家の住人になったうざいお子様ヒットマン…
ランボだった
「ママン、ゴハンまだ〜?オレっちはお腹すいたもんね…」
「ごめんね〜ランボちゃん…もうちょっと待ってくれないかな?」
「ええ〜!ランボさんお腹すいたんだもんね〜!!」
その場でじたんだするランボに、困ったような顔をする奈々
他の人から見れば、ほほえましい家族の図だが、実はランボはこの沢田家に居候している身なのだ
そう考えてみると、晩ご飯を早くと催促しているランボが浅ましいのか、それとも文句を言われても何も言わない奈々が凄いのか、よくわからなくなってくる
「もうちょっとだから、ね?」
「やだやだやだ!ランボさんはっゴハン食べるんだもんね!!」
「…ウザいわよアホ牛」
…そして気がつけば、イラついたビアンキがランボにあの毒々しい料理、通称ポイズンクッキングを向けていた
もし喰らえば、とにかく無事ではすまない
「…はぁ、リボーンにあげるつもりだったけど、また新しい料理を作ればいいわね」
「ちょっ!ビアンキ!!」
「(………ごくり)」
「…かっくらいなさい」
ビアンキがランボに、ポイズンクッキングを当てようとした、
その時……
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴った
奈々はまた困ったような顔をする
「あら、こんな時間にお客様かしら?悪いんだけど、代わりにランボちゃん出てくれない?」
「ま、任せるんだもんね!ランボさんえらいから任せるんだもんね!」
そしてランボは、目にも止まらぬ速さで玄関に走っていった
「…チッ、上手く逃げたわね」
「ビアンキ…」
ツナはこうして、毎日疲れるのだった