Snow White
□打ち上げられた過去
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そんな沢田家にありふれた光景を見て、瑠璃華は内心いいなぁと思った
「(…私にも、あんな家族がいたのかな……)」
いつの間にか失ってしまった、大事で大切なつながり
―――それが、こんなにも眩しく見えるなんて―――…
「…瑠璃華ちゃん?」
不意にツナに声をかけられ、瑠璃華はハッと気がついた
「どうしたの?」
「う、ううん!何でもないよ」
「?」
ツナに心配させまいと、必死に首を振る瑠璃華に、ツナはちょっと疑問に思った
「…本当になんともないの?」
「う、うん!なんともないから!…あ。そういえば、ランボ君はどうしたの?ここの子だよね」
突然思い出したあの牛柄の子
さっきの断末魔?を聞いてから、一度も姿を見ていない
瑠璃華がツナにランボのことを聞くと、ツナは「さ、さあ…?どこいったんだろうね…?」となぜか挙動不審になる
…なにか怪しい。
すると、ご馳走を口に運んでいたリボーンが話しはじめた
「アホ牛はさっきくたばったぞ。ビアンキのポイズンクッキングによってな」
「お、おいリボーン!!」
いきなりのリボーンの発言に、慌ててツナが焦る
だが瑠璃華は、違うところに目をつけていた
「…あほうし?」
「あのアホ牛のことだ」
「…ソレ答えになってないよ?」
「じゃ、あのアホな牛のことだ」
「…多分ランボ君のことだね」
大正解である。
「(バ、バレてない…?)」
ツナが気にしていたのは、リボーンがさらりと言った、ビアンキの"ポイズンクッキング"についてのことだった
ホッとしたのもつかの間、
「じゃあ、ビアンキさんのポイズンクッキングってのは何?」
「(バレてたー――っ!!)」
何気なく核心を突いた瑠璃華に、ツナは焦る
そして、リボーンがお手製のエスプレッソを口にしながら、その質問に答え始めた
「ああ、ビアンキのポイズンクッキングってのはな、毒g「ああああああのさっ!!瑠璃華ちゃんの両親は大丈夫なの?!オレん家でご飯食べてさっ!!」
ツナはリボーンの言葉を勢いよく遮り、瑠璃華の気をそらそうとして、新しい話題を切り出した
それが、まずかった。
「――!………」
「………え?」
途端に、瑠璃華はほほえんでいた顔から悲しげな顔に変わる
ツナは瑠璃華のその悲しそうな表情に、とても戸惑った
そんな中、瑠璃華が何かを搾り出すような、声を出した
小さくて、細くて、
まるで、すぐに消えそうな
「……私、両親は事故でいないから……」
「…………!」