Snow White

□朝の散歩=冒険
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雲雀と別れて10分後、瑠璃華がゆっくりと歩いていると、歩いている道の奥から人影が見えた
その人影の身体が上下に動いているのを見て、きっとロードワークの最中なのだろう

その人影は走っていた



「シッ、シッ!」

「(…?何でパンチしながら走ってるんだろ……?)」



人影はパーカーを着ていてフードを被っていたので、瑠璃華には顔がよく見えなかった

だが、その独特なポーズはボクシングのポーズに見えるのだが、瑠璃華はそのことを知らずにいた



…その時、フードを被った人影がふらつき、そのまま道に倒れ込んだ




「ぬぅっ…」

「…あ!」



その光景を目撃した瑠璃華は慌てて、その人に駆け寄り、声をかける




「だ、大丈夫ですかっ!?」

「うぅ…極限に油断した…」

「(…きょくげん?)」



人影が被っていたフードが脱げ、その下から現れた顔立ちは、まだ学生だった


白の短髪に、左目の近くにある傷跡、鼻に貼ってある絆創膏…

その人は、笹川京子の兄にして並盛中ボクシング部将、暑苦しい極限馬鹿である、笹川了平だった





「くっ、オレとしたことが女子に助けられるとは、無念だ…!まだまだロードワークを増やさなければ…!極限にすまなかった!!」

「へ?い、いえ私は大丈夫ですけど、あの…大丈夫ですか?」



瑠璃華が心配そうに聞くと、了平は汗を拭いながらニカッと笑う



「なぁに、大丈夫だ!ただロードワークを昨日の10時から続けていただけだからな!!」

「8時間もですか!?」



あまりの時間の長さに瑠璃華は驚く。ちなみに余談だが、ツナでは瞬時にこの計算は出来ないだろう

なんたってダメツナだ




「…それはすごいですけど、だから倒れたんじゃないですか?」

「ウーム…そうかも知れんな!」



豪快に笑う了平に、瑠璃華は正直呆れたような、そんな気持ちになった



…なんて豪快な人なのかな
初めて見るタイプの人だなぁ…





「…さて!オレはまだロードワー
クがあるのでな!さっきは本当に
極限にすまなかった!!」

「(まだあるんだ…)あ、あんまり無理をしないでくださいね?これ以上は貴方の身体に障るかもしれませんし…」

「ああ!極限に気をつける!」




瑠璃華が控えめに言ってみるが、了平は立ち上がって


「極限にロードワークだーっ!!」


…と言って走り出して行った




そんな了平を見て、呆然とした瑠璃華は一言、こう呟いた



「…なんだか、わかってない気がするのはなんでかな…?」




その通りです。




 
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