Snow White

□ドキドキ体育祭!(前編)
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「あぁ〜っ!!もう100m走どころの心配じゃなくなったよ!先パイ達からは白い目で見られるし……!総大将なんて絶対ムリだよー!!」



その日の帰り道、ツナと瑠璃華は同じ道を歩いていた。ちなみにリボーンも歩いている


頭を抱えるツナに、瑠璃華は眉を下げながら話し掛けた



「沢田君、大丈夫…?」

「ありがとう瑠璃華ちゃん…でもオレもうムリだよ……」

「そんなのやらなきゃわかんねーぞ」

「お前は棒倒しの怖さを知らないからだよ!!」



何かを吐き出すように言うツナの話では、みんな棒倒しの総大将を落とすために、服をひっぱるどころか殴る・蹴るは当たり前で、勝っても負けてもキズだらけになるらしい


「…だから普通は総大将には、そのチーム最強の男がなるんだよ。実際、B組の総大将は空手部主将の押切さん、C組は相撲部主将の高田さんだぜ!」

「ワクワクするな」

「ガクガクするよ!!」


「沢田君…」



瑠璃華はつい、不安になった
…もしツナが総大将になったら、ツナが怪我してしまうんではないだろうか?


そんなの、嫌だな。



「…………、」


「(…瑠璃華ちゃん?)」





ツナが瑠璃華の異変に気づいた、その時だった





「ツーナさん!」


「?」




突然聞こえた、女の子の声

どうやら、上から聞こえてくる





「こっちですー!」

「ハル!」


「わっ?」



瑠璃華の目に映ったのは、黒髪にいくつものピンを止めた、ポニーテール姿のかわいらしい女の子

…が、何故か電信柱に登っている光景だった




「なっ何してんだよ!?」

「ツナさんっ、リボーンちゃんに総大将のこと聞きましたよ!だからツナさんの総大将決定を祝って棒倒しのマネしてるんです!!」

「は!?」



…どうやら、この子は沢田君の知り合いみたい




「バカ!恥ずかしいからやめろって!!(しかもスカートで〜っ)」

「………はい。ハルも途中で失敗だと気づきました……おりれなくなっちゃったんです…」

「(こいつは〜!!)」


「(沢田君の、お友達…?)」




ツナがハルに気をとられてる時に瑠璃華は1人思った


















「しょっとっ、すみませんっ」

「ハル、これからはこんなことするなよ」

「はいっ!ハルはもう、こんなデンジャラスなことはしません!」



びしっと、ツナに元気よく敬礼をするハルを、瑠璃華は失礼と知りながらもじっと見た
そのことにハルが気づく

そして、言った一言



「はひっ!?誰ですか、このハイパービューティフルガールは!!」

「…え?」




いきなり言われた横文字に、瑠璃華は少し困惑する

はいぱーびゅーてぃふる…?





「まさかツナさん、ハルという人がありながら…浮気ですかっ?!」

「はあっ?!浮気ぃ?!」

「隠したってムダですよ!ハルには全てお見通しなんですから!!」

「あ、あの…?」



何か勝手に、話が進んでる気がする。…っていうか、浮気…?

わ、私、結婚した覚えはないんだけど……?




「ちゃおっス、ハル」

「あ!リボーンちゃん!」



気づいていなかったのか、下にいるリボーンに目線を合わせるように、ハルはしゃがみ込んだ

リボーンが言う



「お前、ツナに何か言いに来たんじゃねーのか?」

「はひ、そーいえばそーでした!ツナさんっ」

「な、なんだよ?」

「明日、ハルの学校が休日なんです!ですから、ツナさんの晴れ姿を見に行きますねっ!!」

「いっ!?いいよ来なくて!!」

「はひ?どーしてですか?」

「それは……(絶対ハジをかいてカッコ悪いからだよ!!)」




ツナは心の中で思った

…そーだよ。よく考えてみたら、痛いわカッコ悪いわで……オレ、まったくいいことないじゃん!!



そして考えた末、ツナはある結論に辿り着いた




「(…総大将なんて断ろう!!京子ちゃんのお兄さんに、辞めるって直接言いに行こう…!!)」





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