Snow White

□ドキドキ体育祭!(前編)
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「と…とにかく、見に来ちゃダメだからな!瑠璃華ちゃんっ、オレ行くところあるから、悪いけど先に帰ってて!」

「沢田君っ?」

「あっ、ツナさん!」



瑠璃華とハルがとめる前に、ツナは素早く走っていってしまった

この光景を見た瑠璃華とハルはぽかんとしていて、リボーンはチッと舌打ちする



「…ダメツナが、総大将を断りに行きやがったな」

「……でも、怪我するよりはいいんじゃないかな。沢田君もやりたくなさそうだったし…」



不安そうに目線を伏せる瑠璃華。そんな様子を見て、リボーンはニヤリと笑った




「甘いな、瑠璃華は」

「……怪我なんてしてほしくないだけだよ」




誰かが傷つくのは、嫌だよ。







「…っところで!一体あなたは誰なんですかっ!?」

「え?」



…すっかり忘れてた

今、瑠璃華の目の前には、少し頬を膨らませたハルの姿がいた


知らない人+挨拶=親しくなる!という方程式が頭の中に浮かんだ瑠璃華は慌てる



「(あ、挨拶しなきゃ!)こ、こんにちはっ!私は「ハル、こいつは昨日、イタリアから並盛町に引っ越してきた瑠璃華だ」


…かぶられた。





「はひっ?!そーだったんですか?でも、どーしてツナさんと一緒にいたんですかっ?」

「引っ越してきた家の隣ん家が、偶然ツナん家だったんだ」

「そーだったですかっ?!」



驚くハルに、瑠璃華は少し頬が緩んだ。こんなタイプの女の子はあまり会ったことがなかった

…すごく元気な女の子だな。





「はひ…スミマセン…ハル、てっきりあなたがツナさんを狙ってるんじゃないかって……」

「(狙ってるって……)」




勘違いだったことがわかって、ハルはしゅんとして瑠璃華に謝る

それに瑠璃華は慌てて両手を横に振って、謝らないでとジェスチャーをした




「ううん、あなたは何も悪くないよ!えっと……ハル、ちゃん?」

「ハイ!」

「私、天草瑠璃華っていうんだ。まだ並盛町のことよく知らないんだけど、よろしくね」

「はいっ!瑠璃華ちゃんですね!ハルは三浦ハルっていいます!」

「ふふっ。三浦、ハルちゃんね?これからよろしくね!」

「こちらこそ!」




瑠璃華とハルは互いに、握手を交わした


これが、ハルとの出会いだった




















その後、ハルと別れた瑠璃華はリボーンと一緒に、帰り道を歩いていた

だが、瑠璃華はあることが気になっていた




「…リボーン君、その格好…」

「パオパオ師匠の衣装だ」

「ぱおぱおししょう…?」



リボーンの衣装はいつの間にか、着ていたスーツがボクサーパンツに変わっていた

両手にはグローブ、そして何故か頭には象をイメージした帽子がかぶってあり、ご丁寧につけひげまである




「リボーン君、それって何の衣装なの?」

「これはな、ボクシングをする時の衣装なんだぞ」

「ボクシング?それって了平さんが言ってたスポーツだよね?」

「あぁ」

「…ってことは、リボーン君ってボクシングするの?」

「まぁな、奴の前ではな」

「やつ…?」





すると遠くから声が聞こえた




「パオパオ師匠〜!」

「了平さん!」




見た先には、こちらに向かって走ってくる了平の姿。そしてその後ろには獄寺と山本の姿

…何故か長い棒を持っている




「獄寺君、山本君!」


「…天草!」

「お!天草じゃねーか」

「2人とも、何してるの?」

「オレ達は、明日の棒倒しの練習に誘われたんだ!」

「練習?」

「ああ!この棒を使ってな!」


「今、10代目を探しているんだが…知らねぇか?」

「沢田君?」




獄寺に聞かれ、悩む瑠璃華


…本当はわかってる。きっと沢田君は、総大将を断るために、了平さんの家に行ってるはず

でもここに了平さんがいるから、…もしかしたら京子ちゃんに会ってるのかも




「沢田君は…多分、京子ちゃんと一緒にいるんじゃないかな?」

「笹川と?」

「うん…沢田君、了平さん探しに行ったと思うから」




瑠璃華は自分の考えを素直に言う…ツナが総大将を断りに行ったこと以外は





「む?オレをか?」

「あ、はい…理由はわからないですけど(どうか嘘がバレませんように…!)」





「…そうか!京子はオレの家にいるから、きっとそこに沢田もいるはずだ!!そういうことだな、天草!!」

「あ…はい…(意外、とあっさり……)」

「…そんじゃ、今から芝生頭ん家に行くのかよ」

「何だと!タコヘッド!!」

「まーまーっ」




ケンカしそうになった2人を山本がなだめる

すると、足元からさっきまで話していた声が聞こえた




「茶番はほっといて、さっさと行くぞ、了平」

「そうだなパオパオ師匠!」

「…パオパオ師匠?」

「タイから来た長老だ!」

「…え?(どう見ても衣装を変えたリボーン君じゃ…?)」


了平の言うパオパオ老師……もといリボーンは、パオーンと象の鳴きまねをしている

なんでわからないんだろうか、だなんて思っていると、山本から声をかけられた



「天草も練習来るか?」


「え?」

「棒倒しがどんなのか、見たいだろ?」

「あ…うん」



山本の誘いにふたつ返事をした瑠璃華だが、本当はツナがどうなったか知りたかった

…沢田君、断れたのかな?




「よし!では極限に行くぞっ!!」

「…意味わかんねー」

「まーまー獄寺っ、天草も行こうぜ」

「う、うんっ」




そうして、瑠璃華達はツナがいるであろう笹川家に、駆け足で向かっていった






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