Snow White
□ドキドキ体育祭!(後編)
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今日、ここ並盛中学体育祭では、縦割りでつくられたA・B・C組の熱き戦いが繰り広げられていた
「ゴールッ!!」
辺りに審判の高らかな声が響く。1番最初にゴールしたのは、Aのゼッケンを着た山本だった
みんなが興奮し、駆け寄る。もちろん瑠璃華も例外ではない
「おめでとう山本君!今の走り、すごく速かったよ!」
「ははっサンキュな!でも走りなら天草の方がスゲーだろ?」
「そうね、さっきの100m走で13秒切ったしね………瑠璃華、あんただって十分すごいよ」
「うん!瑠璃華ちゃんも山本君もすごく速かったよ!」
「そ、そんなことないよ!山本君の方が速かったし…」
3人の言葉に少し照れる瑠璃華
確かに瑠璃華は、ひとつ前の競技である100m走で、陸上部もいる女子の中で誰よりも速く走ったのだ
「あっ、ツナ君だ!」
京子が嬉しそうに言う。みんなで見てみると、競技のポッピングでピョンピョンと跳ねているツナがいた
「ツナも頑張ってるのな!」
「沢田、ビリだけどね」
「(…沢田君)」
瑠璃華は不安そうにツナを見る
沢田君はまだ、風邪の熱があるはずなのに…
「…私、ちょっと様子見に行ってくるね!」
みんなにそう言い残し、瑠璃華はツナのところに走っていった
「沢田君っ!」
「瑠璃華ちゃん!」
こちらに駆け寄ってくる瑠璃華にツナは思わず驚く
瑠璃華がツナのところに着く頃には、もうツナの競技は終わっていた
「沢田君…熱は、どう?」
「あ、ありがとう。オレは大丈夫だよ!」
「そう?辛くない?」
こちらをまっすぐに見て心配する瑠璃華に、ツナはまた顔が赤くなりながらも、どこか、ホッとした気持ちになった
…少し場違いだが。