Snow White

□ドキドキ体育祭!(後編)
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「…?(だ、誰…?)」

「あ…(この人…!)」



瑠璃華はこの人が誰だかわからなくて首をかしげるが、ツナはこの人に見覚えがあった

この人は確か、C組の…





「あぁ?何だてめーは」

「余計なお世話だ!!」



苛立った獄寺と了平が睨む
その時、ツナと瑠璃華はただ、嫌な予感がしてたまらなかった

そして、次の瞬間…




「「すっこんでろ!!」」




ドカッ!!!
ゴッ!!!



「ブッ…!」




「んなー―――!!!」

「っ!!」



辺りに響く、獄寺の蹴り飛ばす音と了平の殴り飛ばす音。何故こんな時だけはコンビネーションがピッタリなんだろうか

ズゥゥン…と倒れ込む姿を見て、近くにいたC組の生徒がざわめき始める


すると、ツナがこの人が誰だか分かったのか、慌て始めた




「や、やばいよ〜っ!」

「「?」」

「沢田、君?」


「こ、この人…C組総大将の高田センパイだよ!」

「えっ!?」


「誰だろーが殴る!」

「よえー奴」



思わぬ人に驚く瑠璃華と、それでも平然としている了平と獄寺

そして獄寺達のこの行為に、C組の生徒達が黙る訳がなかった



「コラー!」

「オレ達の総大将に、何てことをしやがる!」





「「…ん?」」



「文句がある奴はかかってこい!A組の笹川が相手だ!」

「ケンカならいくらでも買ってやるぜ」

「(あおらないでー―!!!)」

「や、やめてくださいっ!!」



ツナは心中で悲痛の叫びを上げ、瑠璃華は2人を止めようとしたが…新たな悲劇がやって来た






「た、大変だー!」

「B組総大将の押切センパイが、トイレで何物かに襲われた!!」


「なんだって!!?」

「目撃者によると、A組のやつにやられたらしい」

「またA組かよ!」



ざわめく生徒達。おそらく1番ざわめいているのはB組の生徒達だろう


その前に立つのは、一人の老人。その老人はまるで、水戸黄門のような衣装を着ている

それは……リボーンだった。




「この人が目撃者だ。そーなんですよね?」

「ああ」

「「リボーン(君)!?」」


「B組総大将を襲った奴は、A組総大将の沢田ツナの命令で襲ったって言ってたぞ」

「な!何言ってんのー!?」

「リボーン君っ?」



沢田君はずっと、私や獄寺君達のそばにいたのに…





「なんだ沢田、思ったより勝利に貪欲だな!見直したぞ!!」

「ナイス策略っス!」

「違うってば!(襲ったのは絶対リボーンだー!!)」



そう思ったツナがリボーンを見ると、ニッとリボーンは笑っていた

やがて、ブーイングが飛ぶ




「卑怯だぞA組ー――!」

「なんてキタナイ総大将だ!!」






「フッ……どうか見たか!これがウチのやり方だ!!」

「認めないでください!!!」

「そーですよ了平さん!!」



自信満々に言ってのける了平を、ツナと瑠璃華が止めるが、ブーイングはますますひどくなる




「C組の総大将をやったのも、その沢田って奴の命令なんだな!」

「卑怯者!」

「A組総大将は退場しろー―!!」





「(そんなー!なんでオレのせいになってんの〜!!?)」

「だ、大丈夫だよ沢田君!私は、こんなことをしたのは沢田君じゃないって知ってるから!」

「…瑠璃華ちゃん」

「沢田君は、何も悪くないよ!」



そう言いニコッと笑うと、ツナも少し笑ってくれた




『みなさん静かにしてください。棒倒しの問題についてお昼休憩をはさみ、審議します。
各チームの3年生は、校舎近くの本部まで来てください…』



グラウンドにアナウンスが響く。どうやらお昼休みに決まるようだ



「…今、悩んでも仕方ないと思うよ。だから後で考えよう?ほら、あそこで奈々さん達が待っているし、お昼ご飯食べない?」

「…うん、そうだね」




ようやく元気を取り戻したツナは微笑んでいる瑠璃華と一緒に、奈々達がいる場所へと向かった





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