Snow White

□お手紙パニック!
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その女の子の振り向いた顔はまるで、天から落ちて泣いている天使みたいだった




















僕は道を歩いていた

理由は、あの家に行くためだ




「今日こそ、あの家に慣れないと…!」




あの家にちょっと近づくだけで、僕のお腹は痛くなる

その原因は…牛っぽいマークのついた、あの箱




あの箱が来てから…いや、あの牛っぽい子供が来てから、僕の人生が変わったといってもおかしくはない



箱を見るだけでお腹が痛くなる
夜寝れば悪夢を見る

…こんなのはもうたくさんだ!




だから箱を返すために、あの家に行こうとするんだけど…

身体が拒否反応をおこして、行くどころか近づけない
そして、お腹が痛くなる




だからこうして、僕はあの家にちょっとだけ近づいて、お腹が痛くならないように慣れさせる、って考えたんだ


でも……




「やっぱり、お腹痛い……」



ギュルギュルとお腹が鳴りはじめて、僕は思わずしゃがみこんだ






…ダメなんだろうか。


僕は、あの箱を返せないのか?

そしてずっと、僕はあの悪夢を見続けるんだろうか…






僕がそんなことを考えていた、その時だった
1人の女の子が、僕の目に映った



その女の子は、キョロキョロと辺りを見渡しながら歩いている

…僕はなぜだか、その子から目が離せなくなっていた





その女の子はだんだん、人気のない所へ歩いていった

僕はなぜか慌てて、その子を追いかけていった



…なんでなのか、わからないけど






次第に、その子は薄暗い路地裏に入っていった
僕も戸惑いながら、薄暗い路地裏に入っていった




…途中、僕はなんでこんなことをしているんだろうと考えた



一歩間違えればストーカーだ





すると、彼女は立ち止まった


いきなりだったから、僕も慌てて立ち止まる


辺りはシーンと静まり、今の僕は心臓がバクバクと脈打っていることに気づいた




しばらくすると、彼女はこっちに振り向いてきた。その行動に僕はまた慌てて隠れた





…気づかれた?


どうしよう、なんて言えばいいんだろう…





僕がそんなことを必死で考えていると…彼女は突然、ぺたりと地面に腰を落とした




「…?」



僕は不思議に思った
そしてなにか、ボソボソと女の子の声が聞こえた

…よく聞こえない。僕はひたすら聞くことに集中した



すると聞こえたのは、その女の子のかすかな声





「どうしよう……」





そして、地面に顔を向けた

…泣いてる、みたいだった





「…あ、あの………」



気がつくと、僕はその女の子に声をかけていた

僕自身もよくわからないけれど、その女の子をほって置けなかったんだと思う





「……?」



するとその女の子は、ゆっくりと僕に振り向いた


そして、最初の感想にもどる





本当に、そう思ったんだ。






 

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