Snow White

□寿司屋でバイキング?
3ページ/8ページ





「ここだぜ!」

「わぁ……」



今、瑠璃華の目の前にあるのは、いかにも老舗っぽい寿司屋だった

「竹寿司」と書かれてある看板と暖簾がいい味を醸し出している




「や、やっぱり悪いよ。こんな立派なお寿司屋なのに…」

「いーっていーって。オヤジー、ただいまー」



遠慮なく山本が、ガラガラと音をたてて、中へ入っていく

そこには、頭に鉢巻きを巻いた板前の男性が見えた。どうやら、この人が山本の父親らしい



「?どーしたオヤジ?」


先に入った山本が、のれんをくぐりながら尋ねる
すると、山本の父親らしき人の渋い声が聞こえ、同時に聞き覚えのある声も聞こえた




「あぁ武か、食い逃げだよ」

「食い逃げって…ツナじゃねーか」

「山本ォ!」



戸惑った山本の視線の先には、山本の父親に涙目で頼み込んでいるツナがいた

そんなツナの声に、瑠璃華も思わずのれんをくぐる




「もしかして…沢田君?」

「え、瑠璃華ちゃん?!」

「ん?武の知り合いか?…おや、その子は?」

「ああ、オレと同じクラスのダチのツナと天草だ」

「こ、こんにちは…」



ぺこりと頭を下げる瑠璃華。ここでツナがやっと気づいた




「こ…ここって、山本ん家の寿司屋だったの!!?てか、なんで瑠璃華ちゃんが!?」

「さっき偶然会ったんだ。そんでハラ減ってるみてーから、スシでも食べさせてやろーって思ってな!」

「言わないでよ山本君……」




また恥ずかしそうにする瑠璃華に、山本は「悪ぃ悪ぃ!」と言ってぽんぽんと頭を叩いた

……まるで子供扱いだ





「で、なんでツナが食い逃げなんだよ?」

「じっ、実は……」




 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ