Snow White
□寿司屋でバイキング?
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「ここだぜ!」
「わぁ……」
今、瑠璃華の目の前にあるのは、いかにも老舗っぽい寿司屋だった
「竹寿司」と書かれてある看板と暖簾がいい味を醸し出している
「や、やっぱり悪いよ。こんな立派なお寿司屋なのに…」
「いーっていーって。オヤジー、ただいまー」
遠慮なく山本が、ガラガラと音をたてて、中へ入っていく
そこには、頭に鉢巻きを巻いた板前の男性が見えた。どうやら、この人が山本の父親らしい
「?どーしたオヤジ?」
先に入った山本が、のれんをくぐりながら尋ねる
すると、山本の父親らしき人の渋い声が聞こえ、同時に聞き覚えのある声も聞こえた
「あぁ武か、食い逃げだよ」
「食い逃げって…ツナじゃねーか」
「山本ォ!」
戸惑った山本の視線の先には、山本の父親に涙目で頼み込んでいるツナがいた
そんなツナの声に、瑠璃華も思わずのれんをくぐる
「もしかして…沢田君?」
「え、瑠璃華ちゃん?!」
「ん?武の知り合いか?…おや、その子は?」
「ああ、オレと同じクラスのダチのツナと天草だ」
「こ、こんにちは…」
ぺこりと頭を下げる瑠璃華。ここでツナがやっと気づいた
「こ…ここって、山本ん家の寿司屋だったの!!?てか、なんで瑠璃華ちゃんが!?」
「さっき偶然会ったんだ。そんでハラ減ってるみてーから、スシでも食べさせてやろーって思ってな!」
「言わないでよ山本君……」
また恥ずかしそうにする瑠璃華に、山本は「悪ぃ悪ぃ!」と言ってぽんぽんと頭を叩いた
……まるで子供扱いだ
「で、なんでツナが食い逃げなんだよ?」
「じっ、実は……」