Snow White

□勘違いバースデー
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「なんだ、そーゆーことなのな!んー…オレは人にあげるみてーな立派なモンはねーからな、スシでも持ってくつもりだぜ!」

「え……?山本君、お寿司だって結構立派なものだよ?」

「ん、そーか?」

「(…お寿司って結構高価な食べ物だって思ってたんだけど)」



瑠璃華がそう思ってると、山本が返してくる



「天草は何にしたんだ?」

「うん…プレゼントを作ってみたんだけど…似合うかなぁ」



そう控えめに言うと、山本は笑顔で「お!いいじゃねーか!小僧も喜ぶぜ!」と言ってきたので、瑠璃華は「そ、そうかな…」と照れ臭そうに笑った



そんな様子を、獄寺は面白くないようにただ見ている






…ったく、何なんだよこいつら

いきなり呼び出しやがって、天草の奴…何でかあの野球バカと笑ってやがる…

…何かムカつくな。
見てて、いらついてくる…






「…獄寺君?」

「っ…!?」



気がつくと、獄寺のすぐ前に瑠璃華が近づいていた
目の前の、瑠璃色の大きな瞳が獄寺自身を映している



「どーしたの?具合悪い?」

「なっ…なんでもねぇよ!」



獄寺は恥ずかしさから、顔を真っ赤になりながらも瑠璃華から顔を背けた



「なー、獄寺は小僧のプレゼント何にしたんだ?」



へらへらと笑いながら、山本が獄寺に聞く。その質問に、獄寺はギクッと身体を震わせた



「そ、それはだな…………………て、手品だ………」

「てじな?」

「へぇ、そうなのな!そりゃ小僧も喜ぶぜ!」





…たしか『手品』って、人を驚かしたりする魔術って意味だったよね?

って、もしかして!




「獄寺君って…魔術使えるの?!」

「は?」



この瑠璃華の妙な発言に、獄寺は思わず唖然となる
…本当にこいつは、テストで満点を取った奴なんだろうか?



「ハハハハッ!天草っておもしれーのな!」



その言葉に対し、山本は声を出して爆笑。瑠璃華は、「え、違うの?」と、ぽかんとしていた




そんな中、獄寺は言いにくそうにこう切り出した



「や、山本…ちょっと耳貸せ」

「ん?」



ひそひそと、山本の耳に小さく話し出す獄寺

すると、だんだん山本の顔が青ざめていくのがわかった



…何を話しているんだろう?






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